「好老社会」を作る

「好老社会」を創る③~三世代の交流が生む力~

三世代の交流が生む力

親子農業体験塾「竹の子学園では毎年一月の第二日曜日に塾生家族と一緒にとんど祭りを行い、

すぎた年の厄を払い新しい年の幸せを願うのです。

少なくなりましたが各地でも竹のはじける大きな音を響かせながら、

書初めを大空へ舞い上がらせ鏡餅を焼いて頬張っている光景を見ます。ほっとします。

竹の子学園のとんど祭りの素晴らしいところは、全員が最初から最後まで力を合わせる姿です。

高齢の世話役たちが、山から竹を切り出し道端に集めます。

その竹を塾生親子が、ふうふう言いながら決められた場所に集めます。

大きな孟宗竹を引っ張るのは、傍でみるほど楽ではありません。

その間、世話役たちは高さ十メートルほどの竹の櫓を組んでおき、竹が集ったら一緒に立ち上げます。

つまり、危険な役割は慣れた高齢者が、誰でも出来るところは塾生親子が受け持つのです。

一つの目的に向かって全員が役割を分担して力をあわせることで、充実感と達成感が味わえます。

傘寿の喜び

この日は世話役たちが大判振る舞いをします。

塾生二十七人分の鏡餅、書初めを天に届ける細い竹、ぜんざい、おにぎり、それに竹酒も用意。

全員が輪になって点火し燃え上がるさまを賞賛する

竹が弾ける音に逃げ回りながら、歓声を野山にこだまさせます。

親子たちに温かい眼差しを注ぎながら世話役たちはおにぎりやぜんざいの準備に取り掛かります。

世話役の中心は昭和五年生まれですから、今年は「傘寿」を迎えます。

みんな元気です。若い親子に囲まれながら頬が緩みっぱなし。笑顔が絶えません。

焼いた鏡餅、ぜんざい、おにぎりを頬ばりながら和やかな三世代の光景が広がります。

みんな過疎の集落が賑わうのが嬉しくて仕方がないのです。

費用の大半は世話役たちの乏しい年金から拠出されます。

それを厭わないのは若い世代と持てる共通の時間が、何より高価な報酬と受け止めているからです。

何が出来るか

世話役たちは通りのいい賞賛とか地位とかは関係なく、人間としてやるべきことをやっているのに過ぎないのです。

高齢者になると「何をしてもらうか」ばかり考えがちですが、「何ができるか」を考えて実践する。

それは尊い魂です。年を重ねても掃除なんかはくだらないとか、

人のために役立つのはつまらないなどの眼力しか養っていないとしたら、情けないですね。

いつも「何ができるか」を考えながら、日の当たらないところでも黙々と実践する姿は、輝いています。

自分のためにしか汗を流せない人の日々は、寂しい。人のために流してこそ、汗の価値があります。

最後は世のため人のために…。