<出会い>に学ぶ生き方の極意

No.13 ~「朝一番!」活用し、生活リズム一新~

No.13 ~「朝一番!」活用し、生活リズム一新~back_14_00

毎朝届く元気いっぱいのFAX

 「朝一番!」 (午前1時40分)

 若き日に 千辛万苦積むならば

        老いての後に 光りそうらん

 おはようございます。曇り空の涼しい朝。元気で1時半にスタートできました。今朝も朝一番のトラック便が、材木を満載して岩手から到着。荷物を降ろして、もう一台、今日中に来る由。更にその後、夜積みして明日の朝、来てくれるとのこと。

 彼は今年67歳かな…。健康であれば、いくらでも働けますね。

 これから価格指示、見積り・請求書のチェック、そして公衆トイレの掃除、現現作業と続きます。

 昨日は午前中、見積りあり、来客ありで忙しい時間を過ごしました。午後は土浦市場に買い付け。

 いろいろな人の話を総合すると、忙しい店とそうでない店がはっきりしてきた。また忙しく材を動かすのに利益に結び付かない。代金回収で問題が発生― なとでした。

 これから年末にかけて、より慎重に、より迅速に、と願う次第です。

 「誠意は必ず通じる」

 どんなに立派な身なりでも、どんなに話し上手でも、誠意がなければ人の心はつかめない、誠意は人の心を動かす大きな力。「これだけ誠意を尽くしているのに…」という気が起きるのは、その誠意が本物でないから。「誠意は必ず通ずる」。その強い信念を持って事に処したい。

 今日も良い1日でありますよう…。

全社員が朝礼で朗読し学ぶ

 冒頭に掲げた短歌付きの長文(一部省略)は茨城県在住の前川静夫さん(前川林業社長)から、毎朝2時前後に手書きFAXで届く一例。

 365日休みなし。内容は教訓と示唆に富み、とことん深い。わが社では朝礼で全員が朗読し、社長が解説を加え、しっかり学んでいる。

 満62歳の前川さんは朝型人間だ。早いときは午前1時、遅くても午前2時には起床。自宅に近い公園のトイレ清掃、会社前の国道6号線(水戸街道)のゴミ拾い、加えて一万歩のジョギングも欠かさない。

 前川林業は北関東最大の木材問屋で、木材置き場の敷地は1万5千坪を超える広さ。自宅は東端で、事務所は西側に位置する。だから、前川夫人はその敷地を自転車で通勤するし、訪問客が国道から材木置き場を通って自宅に至るまでに、タクシー料金ならワンメーター上がる。

 驚くなかれ、その広大な敷地にタバコの扱い殼一つ落ちていない。年に3回開かれる展示即売会では、材料が整然と並べられ、隅々まで掃き清められている。信じ難い光景だ。

 わが社の社員は全員、一度は前川林業を訪問する。仕事柄、木材や建材の勉強が主だが、仕事に取り組む前川さんのひたむきな姿勢と、見事な5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)の徹底ぶりを学ばせていただく。

 それだけに前川さんから毎朝欠かさず届く「朝一番!」のFAXは、社員に十分理解され、確かな行動指針にもなる由縁だ。お陰で社員の仕事に対するモチベーションを大いに高めてもらっている。ありがたい。

 前川さんとのご縁は、平成13年(2001年)11月、横浜市の光田敏昭さん(夢工房だいあん代表)のご紹介による。光田さんは「日本を美しくする会」で掃除の畏友。

 以来、FAX通信の「朝一番!」は5年間、1800日を超えてなお1日も休まず届き続けている。

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布袋様とも見紛う元気あふれる前川さん(左)と談笑する筆者

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多種多様な資材類が整然と並ぶ前川林業の広大な木材置き場

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FAX通信「朝一番!」はすべて製本して保存。折にふれて活用している

茨城と広島を結ぶ新たな流通

 当時、わが社は自然素材を生かした「本物リフォーム」を志向していた。国産のヒノキ、スギ、マツなどの建材をふんだんに使い、香り豊かで健康的な住まい造りを目指した。

 残念ながら、良質な素材は入手しにくく、しかも高価だった。

 お客さまの根強いニーズがありながら、デリバリーと価格面で十分な対応が難しかった。しかし、真剣に願えばかなうものだ。前川さんとのご縁がきっかけとなって、良質な資材の産地直送が可能になった。もちろん仕入れ価格も、予想外に安い。

 高価なヒノキ材は東濃(長野県)や吉野(和歌山県)、スギ材は秋田県、マツ材は岩手県など、零細リリフォーム店では及びもつかない流通ルートが開かれた。それだけではない。前川さんのご好意で、信じられないほど多種多様な素材が調達できた。

 これを契機に「自然派リフォームのマルコシ」を、表看板に打ち出して営業展開を本格化している。

 ご縁とは誠に不思議である。事業を始めて以来40年にわたり、夜型人間を標榜してきた私の生活パターン。だが前川さんを見習ってガラリと朝型人間に変身できたのだ。 「早起きは三文の徳」というが、以後の生活リズムは私に計り知れないほど、多くのメリットをもたらす。

 3年半前、冒ガンの全摘出手術を受けた。その時から、前川さんの足元にも及ばないが、遅くとも午前4時起床、五時出勤を続けている。

心温まるもてなしに感動

 夜型から朝型に切り替わったせいか、主治医も驚くばどの健康休に生まれ変わった。ただ、食事能力は依然として回復しないため、残念ながら人様の前で食事ができない。

 胃袋がないので、咀嚼で溶ける物しか食道は受け付けない。溶けない物は吐き出す仕儀となる。みっともないし、失礼になろう。だから食事の席はどんな場合も、その旨を事前にお伝えし、遠慮させていただく。

 根菜類と焼き魚は大丈夫だが、肉類、刺身、タコ、イカ、貝類、野菜の一部(繊維の多いもの)は受け付けない。従って、日常の食事はきわめて簡素で粗食である。

 7月下旬の暑い日に、前川さん宅を訪問した。会席料理風に昼食が用意されている。正直、内心では「困った」と思った。もし食道が受け付けず叶き出すざまにでもなったら…。

 だが、心配は杞憂だった。出された料理は一品残さず頂けたのだ。すべて前川夫人の手料理で、実にこまやかに配慮くださっていた。

 エシャロツトの梅肉和え、アスパラガスの胡麻和え、トマトの梅ジュース浸し、アボカドのわさび醤油和え、蜆の味噌汁、金時豆の甘煮、瓜の漬物、メロン、特上にぎり寿司。

 特に蜆の味噌汁は、恐る恐る頂いた。苦手な貝類だから、病後は全く食していない。何と、唾液で溶けて食道も受け付けるではないか。もはや今後は貝類を味わえないと諦めていただけに、その嬉しさといったら、言葉に表せない大感動だった。

 霞が浦の海水と淡水の境目に棲息する極めて貴重な蜆…という説明を受けて、再び感激した。

 この時のメニューの素材や味付け方法などを前川夫人から学んで後日、わが家でも妻に再現してほしいと願っているが、果たして…?

 前川さんご夫妻との得難いご縁は、大いなる力(サムシング・グレート)に導かれた、かけがえないのプレゼント― とつくづく実感している。