研修リポート

論語紀行⑥ 平成23年3月24日(木)

論語紀行⑥

今週で前半6講を終えたが、研修が役に立っているかどうかは、内容を置き換えてどう理解しているかによる。そのため意地悪とも思える質問をし、具体的な答えを求める場面がしばしばある。さらに章句を朗誦しながら掘り下げて新たな問題提起もある。このときは論点を具体的に深めることに役立つ。もっとも研修の手応えがある。

 

今回の論点は孔子が強く願った「徳人徳治主義」、すなわち「その身正しくんば令せずして行われん。その身正しからずんば令すといえども行われず」。組織の大小にかかわらずトップの人格や言動は、社員の士気に大きな影響を与える。率先して範を示せば、規則がなくても組織は機能する。下は上をよく見ており、希望も失望もそこから生まれる。

 

思いがけない論議に入ることがある。「父は子の為に隠し、子は父の為に隠す。直はその中にあり」。「情」と「理」のバランスが大切だ。例えば目標に達しないとき、その原因を追究し改善することができていない。「理」が過ぎると「公」のために情が薄くなり、「情」が過ぎると「私」のために公正さが失われる。バランスを取るのがトップの役割。

 

論語を朗誦する中で具体的なテーマが上がってくると有り難い。妥協と迎合を続けている限り、組織に波風は立たない。しかし、たがは必ず緩んでくる。その警告ではなかったか。目標を達成しようがすまいが、誰にも何も責められない雰囲気が広がると、目の前のお茶を濁してケセラセラ…。そう考えると上に立つものの責任は限りなく重い。