生涯学習・プラスワンステージ

第23期「生涯学習・古代への道(107)」②~平成31年1月16日(水)

②アイヌ語は縄文語 3 接頭辞と接尾辞

 

表紙に私がイカツイおじさんと並んで立っている写真を掲げている。写真を撮った所は、北海道沙流郡平取町貫気別である。そこにお住いの木村さんの家の応接間である。撮った時刻は、平成三十年八月十七日、午前十一時半頃である。

 

私の表情は、少しこわばっている。しかし、内心は嬉しさでいっぱいであった。広島から遥か二千五百キロ、車を運転して北海道に「アイヌ語は縄文語である」との話を広めにわざわざ出て行って、純粋のアイヌの人にであえた。その偶然の上に、更に、自宅に招かれるという幸運に恵まれた。本来は、心の底からにっこりと笑うべきであったが、じっと喜びを押し殺して、家内の操作するデジカメを見ている。

 

一方の木村さんの方もぐっとカメラを睨めつけて、やや不機嫌そうに見える。我が家に招いたとはいえ、相手は、広島から遥か二千五百キロの旅をして、はるばるアイヌを訪ねて北海道に来たと言っているが、アイヌ語は、縄文語だと言っている。そう簡単に甘い顔を見せてなるものかと気迫がこもっている。

 

木村さん、風貌からはうかがえないが、実は、平成三十年七月、「カムイたちよ」と題する絵本を出版されている。絵本を見ると、実に心優しく、文学的なセンスにあふれている。

 

木村さんに絵本の出版の動機を訪ねると、「自分は、物言わぬアイヌであったが、それを七年ほど前にやめて、それからは社会にアイヌを広める活動をしている。その一環である」とのことであった。現在では、遠く大阪府でも講演に出かけているとのことであった。

 

そういう覚悟を持っている人に対してこちらは、「アイヌ語はない。日本語(縄文語)である」と正面切ってものを申し上げるのは、心ひけるが、私もこの二年半、日に夜を継いで調べ上げた結果が「アイヌ語はない。縄文語である」という真実である。簡単に引き下がるわけにはいかない。この写真は、その意地と意地とがぶっつかった後の複雑な一瞬の光景である。