住まいの物語

住まいの物語⑯ 最終回  平成26年4月18日(土)

⑯ 最終回

昨年の一月「小粋なギャラリー」を検討したとき、提供の方法について検討された。折角の企画を生かすために、様々な試みが検討された。優れた作品の紹介、期間の限定、作者と鑑賞者のふれあい、茶話会の開催、住まい関連の講座の開講など。実行計画を立てるとき、お客様にご満足頂くお世話を誰がするかで企画は宙に浮いた。人材がいない。

 

2014.4.18sumai (4)

 

社内に常住する適任者は岡元専務しかいない。本業の経理の仕事で既に手一杯であったのに、オフィスのサロン化を目指した講座の展開まで担当した。そのとき、すでに講座は1カ月に9講座も開いていた。メンバーの募集から会場の設営、茶菓の接待からアフターサービスまで仕事の量は半端ではない。他社なら専任者を置くほどのレベルになる。

 

2014.4.18sumai (1)

 

結局「住まいの講座」を開講、終了後、作品を観賞し出品者と軽い昼食をとりながら懇談する流れができた。暗黙の了解ではあるが、期限は1年とした。ところが出品者は後を絶たず、参加メンバーも満席が続き、とうとう4月まで続いてしまった。現在では「住まいの講座」もタネが尽き、出品者のレベルにも問題が出るようになった。撤退か?

 

2014.4.18sumai (3)

 

4月の講座で「住まいの物語」は、一旦終了した。構想を新たにして継続するか、出品者の募集はどうするか、岡元専務の荷重な業務をどう解決するか。一応、継続の方向は出しているが、検討が必要な場面である。講座だけ継続する方法もある。ギャラリーだけ気楽に開催する方法もある。いずれにしてもサロン活動は継続できたらと願っている。

 

2014.4.18sumai (2)

住まいの物語⑮「縁側のはなし」  平成26年3月15日(土)

⑮「縁側のはなし」

おかげさまで「住まいの物語」は満席が続いている。講座の集客もビジネスと同じでメンテナンスを必要とする。痒いところまで手が届くと好感を持つメンバーは続くし、メンバーの絆は強くなるし新しいメンバーも期待できる。この辺りは岡元さんの細やかな心配りによるところが大きい。おかげで本日も開始前から賑やかな話が飛び交う。

 

2014.3.15sumai (1) (1)

 

本日のテーマは「縁側のはなし」。最近の建売住宅には縁側がない。住宅は商品化しているから、おおむね需要動向によって売れ筋が決まる。そう考えると特に若い年代層には縁側に対する要望がないと考えるのが正しい。日本の住宅には縁側は必須であった。日本人の暮らしには内の生活と外の生活の区別があり、縁側は緩衝地帯として必要だった。

 

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現実には間取りの変化、建築予算の合理化、内と外の生活の区別などから、縁側の優先順位が下がったものと考えられる。縁側の歴史の紐解きなどは歴史物語としては面白いが、通常の暮らしにさほど影響はない。面白くない話でも楽しんでもらう話術が求められる。さらに予習をしっかりしてよい講座にしていきたい。本日のテキストは5章。

 

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①ニュータウンの高齢化、②中秋の名月はどこで見る、③消えた縁側・縁側の発生、④伊勢神宮の正殿を分析、⑤外縁から内縁へ。次回は「屋根のはなし」。本日の茶話会講師はギャラリーの出展者・赤松孝彦さん。作品は「版画」であるが、その精緻なこと、優雅なこと、艶やかなこと、驚くばかり。赤松さんの作品は観る人の心にいつまでも残る。

 

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住まいの物語⑭「仏壇のはなし」  平成26年2月15日(土)

⑭「仏壇のはなし」

相変わらず寒い風が吹いているが、熟年の皆さんは元気に溢れている。講座が楽しくて仕方がないみたい。早い人は定刻の30分も前に来場される。「住まいの物語」も本日は14回目になる。テーマは「仏壇のはなし」。テキストは①住生活と神仏、②わが家の仏壇、産仏壇の主人公・仏様の歴史、④浄土真宗・安芸門徒、⑤今日的仏壇へと続く。

 

2014.2.15sumai (1)

 

予想したことであるが敬虔な仏教信者は一人もいない。しかし生活習慣なのか仏壇に手を合わせ、神棚に二拍することには何の抵抗もない。これらの行いは日本人の文化の一つとして、深く生活の中に入り込んでいる。大半の意見が仏壇には〝感謝〟、神棚には〝お願い〟と対象をきちんと弁えている。大抵の場合、習慣として生活の中に生きる。

 

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特に理由はないが神仏の前で手を合わせることが、日々の暮らしで心の安寧に役立っている。昨今の住宅事情は仏壇の居場所を許さなくなっている。仏壇の前で手を合わせることで感謝の念が生まれ、家庭生活の安らぎが与えられるとしたら、仏壇のない暮らしが殺伐とするのではないか。なぜ神仏がこれほどまでに、暮らしに溶け込んでいるのか。

 

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手を合わせる対象は仏ではないことに気づく。主人公はまぎれもなく祖先の位牌である。仏壇は身近な祖先との田和の場になる。愚痴などのやり切れなさも聞いてもらうと言う。生活の中の内面的なコミュニケーションの場であるなら、仏壇は思索の場所であり、記憶との対話の磁場でもある。仏壇や神棚はそれぞれ役割が違うことが興味深い。

 

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住まいの物語⑬「茶の間のはなし」  平成26年1月18日(土)

⑬「茶の間のはなし」

住まいの物語はオールド女学生に囲まれ、賑やかに13回を迎えた。月橋さんは足が立たないと欠席、心配。1月は恒例の新年の抱負。人生講座のメンバーは二度目になるが、それぞれ明るい話題に終始する。いくら見栄を張ったとしても年齢には勝てないが、それでも生き方によっては張りが違う。講座に参加して性根のある日々を過ごして欲しい。

 

2014.1.18sumai (2)

 

住まいの物語は12回を予定していたが、小粋なギャラリーの人気で延長になった。この後「仏壇のはなし」「縁側のはなし」を予定している。本日のテキストは、①茶の間の風景、②茶の間の機能、③一家団欒という考え方、④住宅史の中の茶の間、⑤茶の間が消えた理由、⑥茶の間と共に失われたもの、6章にまとめた。独り暮らしには無縁か?

 

2014.1.18sumai (3)

 

サザエさんの住まい、寅さんの住まいなどが、日本特有の住まい、住まい方と考えているが、仕事をしていても現実にはそのような佇まいには出会えない。一家の大黒柱は男という価値観が失われて家族のあり方が変わった。もはや設計図に茶の間の文字はない。主の象徴でもあった書斎や応接間も呼称が消えて久しい。家族の関係も変わった。

 

2014.1.18sumai (1)

 

家族は社会という共同体の一つの単位であるが、社会―家族―個人の本質的な秩序が居間中心の住まいで混乱してきた。家族の関係は上下の縦線でそれなりに維持されてきたが、住まいの洋風化により失われてしまった。住まいの間取りが「一家団欒」の復権に大きく貢献していると思うが、致命傷は家族の単位の変化が小さくなったことによる。

住まいの物語⑫「窓のはなし」  平成25年12月21日(土)

⑫「窓のはなし」

今年の1月にオープンした「小粋なギャラリー」の添え物として誕生した「住まいの物語」が12回を迎えた。拙いテキストを頼りに水先案内人を務めているが、なぜか各回とも満席で賑わっている。「〇〇だから繁盛している」とう決め手も見つからない。ひとつ言えるのは岡元塾頭の熱心な根回しか。他の二つの講座と比較すれば明らかである。

 

2013.12.21sumai (3)

 

本日のテーマは「窓のはなし」。平凡ではあるがテキストを作っていて楽しかった。項目は①北窓開く、②建築工事の歴史、③古代建築の窓、④窓のいろいろ、⑤開口部主流は建具の五つにまとめたが、予習をしっかりしたせいか話しやすかった。昨日、地元民放のラジオに出演したが、案外その経験が役に立ったのかもしれない。時間通りに終えた。

 

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今年を振り返ってもらった。それぞれ充実していたようで安心した。マルコシの講座が楽しくて、入り浸っていたというありがたい話もいただいた。そこまで評価いただくと面映いが、進める路線は間違っていなかったと安心できる。総じて男性より女性のほうが元気で前向き。男性はどこかに病根を持っている。足が痛い、腰が痛い。酒の禁止など。

 

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茶話会はミニギャラリーに「ヨーロピアンチャイナペインティング」の折出光子さんを迎えた。折出さんの制作秘話など聞かせていただきながら、目を輝かせていた。講座が老いをストップさせる特効薬になっていると実感した。思いがけない12回の連続に勇気を得てもう少し開かせていただく。⑬茶の間、⑭仏壇、⑮縁側と続く。乞う、ご期待。

 

 

住まいの物語⑪「門のはなし」  平成25年11月16日(土)

⑪「門のはなし」

本日のお話は「門のはなし」。『小粋なギャラリー』の添え物としてスタートしたが、来月で思いがけず1年を終える。ご主人の七回忌法要のため月橋さんがお休みだったが、毎回定員の繁盛振り。もっとも講座の内容がよいのではなく、岡元塾頭の集客力と管理能力の賜物。男女比は珍しく4対4でまるで高齢者の婚活サークル。それなりの賑わい。

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テキストは、①門の種類は無限、②門の歴史、③さまざまな門の紹介Ⅰ、④さまざまな門の紹介Ⅱ、⑤歴史を彩る門の姿、⑥まとめの6㌻。門の歴史では大和時代から江戸時代までの門の役割や型式、それにデザインなど追った。国宝や国指定の重要文化財が多く、あらためて勝れた日本の文化を学んだ。著名な法隆寺や東大寺の国宝の門は美しい。

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今回のテキストは一夜漬けで作成したが、まとめ方はともかく門については新しく知ることばかり。観光地を旅した人は多いが、門をくぐっても思いを巡らし回顧した人はいない。要は関心の度合いだが、事前に少しでも調べておくと旅は楽しくなる。もっとも相手次第だろうが、夫婦でするよりも仲良しの女性同士のグループが楽しいという。

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小粋なギャラリーの出展者は、呉市にお住まいの濱本光津子さん。84歳とは思えない繊細で力強い「刺繍・パッチワーク」の作品群を鑑賞しながら、茶話会も話が弾んで賑わった。濱本さんはわざわざ呉から駆けつけてくださり、作品の紹介をされた。呉市美術展の入選作も数点展示されており、いまも応募作品を制作中。元気な高齢者の鑑。

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住まいの物語⑩「日本壁のはなし」そのⅡ  平成25年10月19日(土)

⑩「日本壁のはなし」そのⅡ

在来工法による日本壁を新しい時代の建築に適用することは難しい。問題は完成した日本壁にあるのではなく、完成するまでの前近代性にある。最近は内壁に「珪藻土」などが重宝され、施工性もよく調湿性能も高い。インテリア性にも優れ、和洋室を問わず重宝されている。しかし、木舞下地の純粋な日本壁は伝統として保持されるべきである。

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それが忘れられたとしたら、新しい構想による日本壁の創造は不可能になる。一般建築で顧みられないのは残念である。漆喰白壁は崇峻元年(588)、百済から職人と共に技術導入した。後の法隆寺金堂を俟つまでもなく画工は、仏寺の壁画を専門とする。土壁に白亜上塗りを施す本格的な左官工事はここに始まる。土壁に画を書くことはできない。

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この技術がやがて発見される高松塚に及ぶ。華麗な壁画が描かれていたが、白亜上塗りの主成分は現代の漆喰と同質と分かった。土壁は火災に強く、やがて貴重品を守る土蔵へと進化する。貴族の邸宅は白壁が中心となったが、権威の象徴でもあった。慶長14年(1609)、関が原合戦の後、大阪夏の陣の前、軍事的に最も緊張の高まった時期になる。

外部からの火災に強い白壁は、すべての城郭の天主に採用された。最盛期には日本全国で25基の天主が建設中となった。そのうちの一つ姫路城は世界遺産に登録されている。その美的完成度はわが国の木造建築最高位にあり、世界的にも類のない優れものである。工期は足掛け9年、同因された延べ人数は2500万人に達したと伝えられている。

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住まいの物語⑨「日本壁のはなし」そのⅠ  平成25年9月21日(土)

⑨「日本壁のはなし」そのⅠ

「住まいの物語&小粋なギャラリー茶話会」は1月にスタートしたが、あっという間に9回目を迎えた。岡元担当の努力とお客様の思いが見事に一致し、毎回賑やかな時間になっている。「人生講座」や「生涯学習」のゲストとは異なり、新しい物語メンバーを迎えることができて喜んでいる。ぼつぼつ物語の種も尽きてきたので新しい構想が必要だ。

本日は「日本壁のはなし・そのⅠ」。住まい造りと土の量の関係が健康に及ぼす影響を中心に話を進めた。①日本建築の素晴らしさ、②土が果たした役割、③壁のはじまり、④壁の持つ意味、⑤土と木の建築文化。テキストは5章節で構成した。テキストに添って話を進めているが、しばしば脱線する。それも講座の特徴であり、楽しい時間となる。

本日はレギュラーの田畑さんが地域行事で、月橋さんが近親の葬儀でお休み。大西社員が勉強のために参加。都合よく定員となった。大西社員は新しい講座の準備をしているが、実際の現場を経験しないと動員に真実が伝わりにくい。住宅建築の現状と日本の伝統文化と乖離はあるが、一人でも多くの人に日本建築の素晴らしい歴史を知って欲しい。

今月の小粋なギャラリーは、「古布手作り小物」を展示している。作者の本田綾子さんが茶話会に加わり、楽しいひとときになった。照れくさいからと遠慮されていたようだが、岡元担当の説得が見事に成功した。茶話会に作者の同席があると話の弾みが違う。講座を通じて新しいご縁が生まれ、お互いのネットワークが広がることで地域が明るくなる。

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住まいの物語⑧「座敷のはなし」  平成25年8月24日(土)

⑧「座敷のはなし」

朝から激しい豪雨に見舞われた。昨日から中国地方を襲ったゲリラ豪雨は島根県の浜田市や江津市の一部を呑み込んだ。河川が氾濫し見覚えのある街並みや漁港では、腰まで水に浸かっているさまを映像で伝える。被害の拡大を心配する。講座のメンバーは大半が徒歩か自転車の利用だから、岡元塾頭が「今日は参加者があるかしら?」と心配顔。

 

ところが定員を2名も超える10名の参加。10脚しかない肘掛け椅子が足りなくなった。生涯学習の入川講師まで特別参加。本日は「座敷のはなし」だが、「人生講座」用に準備した「お伊勢さんの式年遷宮」の資料を配布。入川さんに解説を求めた。さすがお見事! 期待に応え分かりやすい解説だった。お伊勢さん=赤福から一歩前進になった。

 

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1月からスタートした「住まいの物語」も8回目になった。毎回定員いっぱいで楽しい講座になり、「小粋なギャラリー」とセットで和やかなひとときが流れる。本日の「座敷のはなし」では、①座敷の由来、②歴史上の座敷、③建築家・小堀遠州の数奇屋、④百姓に座敷は不要、⑤日本住宅の素晴らしさ、⑥されど座敷のテキストを用意した。

 

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メンバーは娘時代に茶道は学んでいるものの、小掘遠州の「きれいさび」という典雅な美意識には届いていない。入川さんより備中高梁に遠州の作品が現存していると紹介があった。小粋なギャラリーは88歳の現役、花田艶子さん作「手描き友禅」のご披露。人間は極めればここまで出来るというお手本。感嘆しながら茶話会は盛り上がった。

 

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住まいの物語⑦「畳のはなし」  平成25年7月20日(土)

⑦「畳のはなし」

暑さにもめげず本日も定員の8名の参加があった。瀬崎さんは体調不良、高見さんは所用で欠席。新しく小河原から新谷さんが参加。フォーラム新聞がきっかけで自転車参加。何はともあれ全員の自己紹介で雰囲気を和らげる。テキストは①畳の語源、②オリンピックの柔道畳、③広島産の備後表が最上品、④畳は権力の象徴、⑤四畳半茶室の始まり。

 

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最近の和室のリフォームについて話したが、日本人の暮らしの原点が消えつつあり、精神の荒廃が進んでいるのではないかと自説を述べた。メンバーはそれぞれ畳の思い出や、新しい畳のあり方について薀蓄を傾けた。畳の勉強をするというより、畳のはなしを媒介にして新しい絆を結ぶことに重点をおいたが、暮らしの中で畳への思いは重くない。

 

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話しはあちこちに飛び、水先案内人としてはどう棹差せばよいか迷う場面もあるが、賑やかが何よりもありがたい。茶話会は出品者の原田るり子さんを囲んで楽しい会話に終始した。岡元塾頭は上へ下へと大忙しながら、メンバーの皆さんから世話役として高い評価をいただいている。開催時間は「住まいの物語」を含めて3時間だが足りないほど。

 

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もともとオフィスのサロン化を目指して始めた講座&茶話会であるが、今のところメンバーが固定し和やかな雰囲気になっている。火曜日の講座も加わって少しずつ充実している。そのうち「山田のもてなし」も10月を目途に増えそうだし、やがて「大西のもてなし」も加わる。その中からまったく新しいコミュニティの誕生を期待している。

 

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住まいの物語⑥「建具のはなし」  平成25年6月15日(土)

⑥「建具のはなし」

朝からの豪雨で講座参加者を心配した。常連の瀬崎栄子さんが風邪で欠席されたが、いつものように満席のスタート。感謝でいっぱい。水先案内人は参加者の数に関係なく櫓を漕ぐが、やはり船はいっぱいのほうが舌先も滑らかに動く。本日は「建具のはなし」。①懐かしい雨戸の繰り音。②建具の歴史をひもとく。③絵巻物や文献から推測。

 

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④建具にも防火の工夫、⑤専門職と賃金。⑥文化と伝統が消える。この6項目で構成。織田信長に招かれて京の都を訪れた徳川家康の軍勢が、雨戸の繰り音に「すわ! 敵の来襲」と陣立てをした伝聞を紹介。京の都にある雨戸が、家康の領地・三河(静岡県)では使われていなかったことを示す。そこから建具の歴史、日本建築に及ぼした影響を探る。

 

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福井県・小浜市には国宝級の寺・寺院か建立されているが、建具を見ることで建築の年代が分かる。日本の建築文化を少しかじって神社・仏閣を巡ると、日本に生まれた誇りを実感することができる。建築の質はよくなったが、日本ならではの徒弟制度や職人が消えつつある現実を憂う。暮らしのすべてに日本らしさが消えつつあるのは寂しい。

 

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福井県小浜市・明通寺

 

己の技に誇りを持つ職人は少なくなった。建築工法の発達は、専門職を消滅させ、伝統の技を追いやる傾向にある。郷愁にひたっていては商売か成り立たないかもしれないが、日本独特の文化や精神を何とかカタチにして後世に伝えたい。二千年を超える建築文化を、このまま消滅させるのは余りにも惜しい。次回は「畳のはなし」に挑戦。

住まいの物語⑤「和瓦のはなし」  平成25年5月18日(土)

⑤「和瓦のはなし」

本日のテキストは、①和瓦のルーツをたどる、②木と紙と土の家、③「いらかのなみ」は郷愁か、④人材育成が商売繁盛の決め手、⑤錫門の瓦葺き。住まいの物語の水先案内人を務めているが、いつものようにゲストの皆さんをとんでもないところに案内している。本日もテキストに添って進める積もりだったが、出発点から舳先が狂っていた。

 

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約7年前から3階の一室を仕事の場所にしている。東北に向って窓があるが、春の彼岸から太陽を拝むことが出来る。秋の彼岸から半年間、太陽は南下し視界から消える。それだけに「春分の日」は待ち遠しい。真東から太陽が昇り、部屋に朝の光をプレゼントしてくれる。住まいに陽の光が最初に届くのは、瓦屋根の棟。日の出とともに輝き始める。

 

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だから日本の住まいには和瓦葺きが似合うという話。東大寺も法隆寺も和瓦に守られ、日本の建築文化を伝えてくれる。ところが意外にもゲストの皆さんは瓦には関心がない。神社仏閣はもとより、わが家の屋根についても何が葺いてあるか知らない。面白い現象ではあるが、よく考えるとわが家の屋根は地面から見えない。わざわざ見る必要もない。

 

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住まいの物語をきっかけにして日本建築の素晴らしさを見直して欲しいのだが…。つい本論はそこそこにして日々の暮らしや健康に話が迷走する。それでも講座の存在が地域の活性化につながり、ゲストのみなさんの日々にうるおいをもたらせば目的は達せられる。本日の茶話会はギャラリーの出品者が急遽不参加。岡元世話人に苦労を掛けた。

住まいの物語④「床の間のはなし」  平成25年4月20日(土)

④「床の間のはなし」

新しくスタートした「小粋なミニギャラリー」とのコラボでスタートした「住まいの物語」の第4回は「床の間のはなし」。いつものように前置きが長く、なかなか本論に入れない。本日の前置きは「多死時代」を迎える現実について中途半端な解説。医学が発達したいまは実に80㌫もの人が病院で最後を迎える。時代に遭った住まいを考察した。

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また高級団地の豪華住宅で暮らせない高齢者の現実と、手放したくても買い手の付かない地域の事情。元気なときの住まいの設計は、老後の暮らしまで考察を加えていない現実。団地の無人住宅は急増し、過疎化の現実は厳しい。高級材をふんだんに使った床の間など、若い買い手世代は価値を認めない。床の間が収納に、和室は洋室に変わっている。

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テキストは、①日本の家に似合う床の間、②床の間のルーツ、③床の間の諸説、④床の間の形式、⑤床の間の行く末などに解説を加えた。日本の木造建築のDVDを用意したが、諸説で時間が足りなくなり未使用。生活の中で日本のよき生活習慣、伝統文化を後世にどのように伝えるか、床の間の意義と機能は後世に残すのは高齢者の責任では…。

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今月の「茶話会」は、「版画」の出展者である米今菊子さんを囲んで開かれた。昼食の田舎寿司と漬け物は、人生講座の学友である佐藤小百合さんのもてなしによる。明るく純な米今さんの人柄をそのままに、版画製作の動機、プロセス、版刷りの技術、紙の選択などを学ばせてもらった。作品のプレゼント抽選も開かれ、最後まで明るく賑わった。

住まいの物語③「便所のはなし」  平成25年3月16日(土)

③「便所のはなし」

企業サロンを目指した新企画、「住まいの物語」+「小粋なギャラリー」+「茶話会」のコラボは、難しさを克服しながら軌道に乗りつつある。本日のテーマは「便所のはなし」。テキストはカラー写真を添付して、①厠(かわや)の由来、②何事も水に流して。③旧国宝指定の便所。④糞尿の社会貢献。⑤洋風水洗便所の普及。⑥便所からトイレに。

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「楽しく」+「学ぶ」をモットーに進めているが、果たして参加者の「楽しむ」が「喜び」に変化しているかどうか、判定は極めて難しい。堅苦しくてもいけないし、冗漫に流れても趣旨に反する。人の糞尿が肥料になることが分かって価値は急上昇した。野菜などの増産に役立ったが、終戦直後の回虫被害には、それぞれ笑えない思い出がある。

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開港10年を経た明治4年、横浜で始めて公衆便所が設けられたが、横浜の薪炭商・浅野氏は糞尿の権益で巨万の富を築いた。目端の利いた商人は目の付け所が違う。戦後、日本住宅公団は多くの住宅を供給したが、洋式水洗便所などで日本人の暮らし向上に大きく貢献した。日本のトイレ水準は世界一。経済大国の米国や中国も遠く及ばない。

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今月の「小粋なギャラリー」出展者は、「日本刺繍」の平井時子さん。細い絹糸と巧みな指先は、繊細な日本芸術の世界に人を導く。優美な作品の仕上がるプロセスは一主婦の片手間とは及びもつかない。参加者からは賞賛の溜息が漏れる。お茶を飲みながら「折り紙」の不思議な世界も体験。日本刺繍の世界は、もっと多くの人に知ってほしい。

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住まいの物語②「風呂のはなし」  平成25年2月16日(土)

②「風呂のはなし」

本日のゲストは7名。うち独身塾女が4名、2人暮しの男性が3名。全員が60~70歳の第二の青春真っ盛り。①ユニットバスの誕生、②日本人は風呂が好き、③銭湯が流行った理由、④道後温泉に見る湯屋、⑤スーパー銭湯が大人気、⑥内湯の変化。テーマと歴史を紐解きながら、質問を重ねる。ゲストは青春時代を懐かしみながら身を乗り出す。

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テキストはカラー写真をメインにし、フォーラム新聞の記事から抜粋している。熟年者が見やすいように文字も大きく、行間も広くした。江戸時代の豪商は内湯を持たなかったが、その理由に日本人のつましい生き方と、商人としての覚悟を学ぶ。50年前の学生時代、道後温泉本館を利用した田畑さんは、当時の入浴料金は10円だったと懐かしそう。

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今月のギャラリーは金野良明さんの水墨画。力作16点が鑑賞しやすい高さと角度で展示してある。茶話会での明快な解説が、ゲストを魅了する。金野さんは定年で公務員の役割を終えたが天下りで再就職し、62歳でサンデー毎日の身分になる。さあこれから楽しい人生と思った矢先、愛妻に先立たれた。途方に暮れたとき出会ったのが水墨画だ。

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わずか5年で大きな水墨画展で入賞の栄誉に浴する。天与の才能をもあったと思うが、ひたむきさが絵に伝わっているという評価だったらしい。黒五色、「かすれ」と「にじみ」が命、塗り重ねは不可、調墨の技、墨つくりの苦心、入選の励み、顔彩色を施すと和やかな心に、などなど。訥々と語りかける金野さんに、未知の世界を案内してもらった。

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住まいの物語①「台所のはなし」  平成25年1月19日(土)

①「台所のはなし」

昨年から企画していた「小粋なギャラリー」が1月15日オープンした。現実にはさほど来客がある訳ではなく、担当者が張り付くまでもない。といって放ったらかしでは本来の目的である「顧客コミュニティ」は生まれない。セルフサービスの準備もしているが、それでは単なる手抜きで本来の「もてなし」とは程遠い。もっと手間を掛ける…。

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試行錯誤の中から生まれたのが「住まいの物語」講座である。午前10時から11時半までテーマに添って学び合う。続いてギャラリーで出展者を囲んで茶話会と展示品をみながら新しい世界を学ぶ。4時間の長丁場になるが心を尽くしたもてなしをすれば、必然的にリピーターが増え続ける。そうすれば目的である「顧客コミュニティ」が誕生する。

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第一回は「台所のはなし」。ゲストは満席の9名。参加型の講座だから輪になって全員の顔が見える設えが必要だ。発言時間も揃って確保したい。ベストは6名だが、ぜいたくは言えない。台所のルーツを辿りながら、家庭は主婦の犠牲で支えられてきたことを解き明かす。ゲストも若いときを懐かしみながら経験を語る。予想通りの展開になった。

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楽しい雰囲気をギャラリーの茶話会に繋ぐ。今月の出展者は島根県松江市で来待焼の「だんだん工房」を主宰する陶芸家の井上幸子さん。簡素な食事をしながら、巧みな話術でゲストを陶芸の世界に誘う。茶話会は定員いっぱいの12名。椅子の数は14だから、出品者と担当者で満席。心を尽くして「楽しい」から「嬉しい」にゲストを変えたい。

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