平成24年10月25日(No5789) たちの悪い冗談
たちの悪い冗談
暴力団と仲良しの政治家が、暴力団を摘発する検察を監督・指揮する法務大臣になった。たちの悪い冗談だと思った。毎日アップしているディリーメッセージに「この男・田中慶秋が国会議事堂の大臣席に座ることはない」と、認証式の日に書いた。委員会をさぼったり、体調不良を理由に病院へ逃げ込んだりしていたが、やっと辞表を提出し表舞台から去った。
大臣に任命するときはまっとうな政治家かどうかの身体検査を慎重に行い首相が判断するという。彼は素行のよくない国会議員の中でもとりわけワルであることは周知の事実である。かつて世間を騒がしたリクルート事件で刑事責任は問われなかったものの有権者から指弾を受けた。利権をめぐる事件では、度々メディアに登場した。でも、へこたれなかった。
野田佳彦首相が内閣の爆弾にもなりかねない彼をなぜ大臣にしたのか、しかもワル取締りのトップに。周知の事実だから首相が知らないはずはない。辞表を受け取って「健康上の理由だから仕方がない。残念だ」と最後まで庇っていた。藤村修官房長官は「健康上の理由だから、首相に任命責任はない」と言い切った。しかし、選んだ野田首相の罪は大きい。
民主党政権誕生からわずか3年、各首相は能力や経験よりも論功行賞や党内融和を優先して組閣してきた。とりわけ第三次野田内閣の大臣たちは「在庫一掃セール」と揶揄されるほどまでに質を低下させ、政治の権威を失墜させた。このままではさらに政治空白が続く。野田首相は来年度の予算編成をするなどというたちの悪い冗談は終わりにして欲しい。