平成24年12月22日(No5847) 「一強」「八弱」の新時代
「一強」「八弱」の新時代
2009年の衆院選挙では、郵政選挙の風に乗って誕生した小泉チルドレンが弾かれた。今回の第46回総選挙では「政権交代」の風に乗って赤絨毯を踏んだ小沢ガールズが、保身のために右往左往しつつ消えていった。肩書きも役に立たなかった。8人の現職大臣、23人の副大臣や政務官も、選挙の怖さを思い知っただろう。有権者は賢さを見事に証明した。
民主党は思いがけず身を縮めたが、もともと寄せ集めの選挙互助会だ。強力なリーダーがいなければ、雨散霧消するのも必然だろう。しかし、国民の厳しい審判があったにもかかわらず、能力があって謙虚な人たちは見事に選ばれている。キチンと仕事をした大臣たちは、逆風にもかかわらず圧勝している。地道な活動を怠った輩が、選挙区では落とされている。
「二大政党を軸とする政権交代のある政治」は、軌道に乗ったかに見えたが3年3ヵ月で潰えた。再び民主党がこのままの純化路線で二大政党の一翼を担う日が来るとは考えられない。落選した大臣たちがその原因を他に求めるようでは、党の再生など夢のまた夢。野田首相は辞任表明をしたが、代表選に手を上げる人がいない。首班指名の国会にも臨めない。
現在の小選挙区制度は事実上、有権者が次の首相を選べる機会になっている。今回の選挙で顕著なように、大臣でも自分の一票で罷免できる。そうであれば政権党も口先だけではなく、日頃の政治活動に緊張感を持って取り組むはずだ。安倍自民党総裁は新しい首相候補として国民が選んだ。民主党は次の選挙まで生きていれば、捲土重来を期してもらいたい。