平成24年4月19日(No5600)   奇跡の復活

奇跡の復活

母の三回忌法要に叔母が来てくれた。会場の正林寺は自宅から40㌔もある。娘たちに支えられながら、思いの外しっかりした足取りで石段を昇った。同じ丑年でひと回り違うから、今年の誕生日を迎えれば87歳になる。病で臥せっていることを知りながら、なかなか見舞いにも行けず忸怩たる思いがしている。まさか参列してくれるとは! 奇跡が起きた。



実は比較的よくお世話をしてくれる弟から「叔母さんはもう長くない。1月いっぱいか、よくもっても2月いっぱいだ」と聞かされていたからだ。原爆の被爆者で肝硬変がひどくなり苦しんでいた。叔父が亡くなってからは、入退院を繰り返していた。どうせなら最後は家で…と退院した。娘は近所に二人いるが、付きっ切りでお世話という訳にはいかない。



入院中は食事がほとんどできず、栄養分は概ね点滴に頼っていた。自宅療養になると大半の家事は自分でする羽目になる。食事も摂らなければいけない。娘たちは心を鬼にして厳しく接した。「生きる意欲を燃やして自分でやれ!」。過酷な仕打ちのようだが、この配慮が効いた。少しずつ自分の用が足せるようになり、何より「自立心」が芽生えたのが大きかった。



高齢者は労わらなければならない。しかし、やさし過ぎると「依頼心」が芽生え「自立心」を押さえ込む。その結果、本来持っている能力を蝕んでしまう。出来るだけ自分のことは自分でする心構えと、環境作りは欠かせない。他人が見たら親不孝と映るかもしれない。「親不孝は親孝行の始まり」。その結果、介助を得ながらも、自力で法要に参列できた。

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