平成26年10月12日(No6506) LEDがノーベル賞に
LEDがノーベル賞に
わが家の照明はすべてLEDである。最近のリフォーム工事でも白熱球や蛍光灯を使うお客様は稀である。照明器具そのものの価格は高いが、耐久力と消費電力を計算すれば簡単に答えが出てくる。家庭で使う分には明るければ、赤でも緑でも白でもいい。青色のLEDにノーベル賞をいただけるほどの価値があるとはびっくりした。庶民には思いもよらない。
光の新世界に導いたのは赤崎勇名城大学教授、天野浩名古屋大学教授、中村修二米カルフォルニア大学教授のお三方。青色のLEDが光ったのは25年前の実験。当時、LEDには赤と緑はあったが、実用化に届かず3原色のうち残る青色の開発に世界の研究者が開発競争を繰り広げていた。難しさは分からないが、世界中の研究者が次々と手を引いて行った。
これに対し松下電器(現パナソニック)に勤めていた赤崎氏は「窒化ガリュームによる青色LED」にこだわった。会社を辞めて名古屋大学の教授になり、天野氏とともにきれいな結晶を作ることに挑戦した。1985年、偶然に最適な条件を発見し、きれいな結晶を安定的に作れるようになった。このご苦労は門外漢には分からないが途方もない時間が掛かる。
努力型の赤崎氏と実験技術に優れた天野氏の「二人三脚」が開いた成果だった。青色LEDの量産に道を開いたのが中村氏。それにしても科学者は粘り強い。LEDの素晴らしさにいつ着目されたのか分からないが、青色が光ったのが1985年、量産化に成功したのが1991年、タッグを組んだ3人の功績が認められたのが2014年のノーベル賞。凄すぎる。
正直言って青色LEDの価値は分からないが、ノーベル賞の価値は理解できる。安倍総理の感動の電話は耳に残っている。