平成26年4月15日(No6326) 春眠を貪っていないか
春眠を貪っていないか
天候は相変わらず不安定だが、春眠暁を覚えずの快い季節になった。消費税増税の危機的ニュースも、半月も経たないうちに過去のものになった。尖閣諸島を巡る鍔迫り合いも何となく別世界の出来事のように感じる。集団自衛権を巡る論議は賑やかだが、野党の民主党をはじめ与党の自民党にも国益そっちのけの議論が行き交っている。言葉遊びが過ぎないか。
ところが衝撃的なニュースが飛び込んできた。中国の常万全国防相は尖閣諸島を念頭に「領土を守る必要があれば武力を使用する準備はできている」と言い切った。会談したヘーゲル米国防長官は「断固として日本を守る」と応じたが、まさに一触即発のピンチの状態が続いている。わざわざ米国に行って集団自衛権対する疑義を唱える野党党首は嘆かわしい。
のほほんとした国会議員たちは、常中国防衛相の発言をどのように受け止めただろうか。茶飲み話の戯言ではない。米国防長官との公式会談の席の発言である。尖閣諸島は中国固有の領土である。それを邪魔するものがあれば武力の攻撃さえ辞さないと言っている。それでもなお春眠を貪っている政治家の何と多いことが。言いたい放題言われて黙っているのか。
政治家の役割は国の利益や国民の生活を守ることにある。それができないような政治家はお引き取り願いたいものだ。国境の最前線の離島は危機に晒されている。尖閣諸島は一触即発の危機にあり、竹島は韓国に占拠されている。壱岐対馬や佐渡ヶ島も日本の国とは思えないほど、他国の国民が平和的に占拠し続けている。それでも日本は自分で自分を守れない。
集団自衛権は日本が保有する「権利」であり、他国の諍いに参加する「義務」ではない。その行使については「国益」に適うかどうかが「判断の基準」になる。各論あると思うが、少なくとも外敵に対しては国論を一致させる努力が必要だ。