平成26年8月3日(No6436)   報われない善意の人

報われない善意の人

わが地域に大西さんという人がいる。昭和12年10月生まれだから間もなく満年齢の『喜寿』を迎える。どんな暮らしをしているのかよく分からないが、毎日午前4時半から地域の清掃をしている。猛暑の夏も厳寒の冬も変わらない。その掃除はほんの一刻ではない。終日である。まるで地域に勤務しているかのように、365日変わることはない。不思議な人。

 

3年前に掃除をしながら知り合った。ゴミ拾いをしながらの交流である。大西さんの掃除は半端ではない。広い中山運動公園に始まり、落合東小学校の周辺や通学路に及ぶ。袋をいくつも肩に掛け、分別しながら拾う。なかなか真似は出来ない。さらに午後はメイン通りの歩道や、落ち葉の原因になっている擁壁の木立の伐採も行う。担当範囲は400㍍に及ぶ。

 

作業に必要な鋸などの工具、高いところに上がる2連梯子、土嚢袋、縄類まですべて自費でまかなう。落ち葉の多いところだから、積み置きするために大型の土嚢袋を30袋も所有している。シーズンには落ち葉のいっぱい詰まった土嚢袋が積み重ねられる。役所に連絡して処分を依頼する。大西さんは機動力を持っていないから、すべて役所を頼りにしている。

 

今年に入って積み上げられた大型の土嚢袋が、空地に放置されたままになり始めた。やがて崩れ落ちて腐食が始まった。不思議に思って事情を訊くと、何度連絡してもナシの礫だという。個人の善意が役所に踏みにじられたからではないと思うが、もう町をきれいにすることは止めたいという。しかし、止められては困る。もう元の汚れた歩道に戻したくない。

 

お節介と思ったが役所の尻拭いをさせてもらった。積み上げられた土嚢袋はすべて処分した。どうか機嫌を直して欲しい。

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