平成28年6月14日(№7019) 綿毛にのって

綿毛にのって

はがき道友の木南一志さんが素晴らしい本を発行した。本業は運送会社の経営者であるが、熱い志が一冊の本を誕生させた。タイトルは「綿毛にのって」。詩集である。作者の三本杉祐輝さんは、昭和35年生まれだが45歳のとき血液のがん・悪性リンパ腫を発症、移植手術を繰り返しながら癌に勝てず平成26年11月29日逝去。闘病のため教職を辞していた。

 

「綿毛にのって」は「詩」が三本杉祐輝さん、美しい福島の写真が47枚、山形、秋田の写真が各1枚。「写真」は矢口洋子さんの作品、その写真に筆文字が添えられているが東晴美さんの可憐な表現、この本は3人のコラボによって整えられている。発行者の木南さんは平成25年、詩集「陽だまり」に出会い、同じがん患者として共通するものがあり発行した。

 

三本杉さんは平成15年、富岡第一中学校の教頭時代に癌を発症し、闘病生活は11年に及んだ。教職を辞してから詩作に意欲を燃やし、教え子や闘病中の人に向けて「人生は八勝七敗」のタイトルで意識が遠のく最後まで発信し続けた。2009年より各地で病身をおして子どもたちへの講演や詩の朗読会を80余回も開いた。人生をフルに生き続けた。

 

平成23年の東日本大震災による原発事故に遭遇し、辛苦に耐えながら七度も避難転居を繰り返した。YouTubeで検索すれば健気な講演や詩の朗読の姿を見ることが出来る。「三本杉祐輝先生 詩の朗読」で開いて欲しい。詩も講演も生きる勇気を与えてくれる。ご縁に会わせてくれた木南一志さんにチャンスを与えてもらった。深甚なる敬意と感謝を捧げたい。

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