平成29年4月16日(№7305) 医療のコンビニ化は防げないか

医療のコンビニ化は防げないか

日本では医療費の増大が社会問題化し、やがて今の社会保険制度は成り立たなくなるといわれている。現在の負担率は70歳未満が3割、75歳未満が2割、75歳超えは1割で高齢になるほど軽減されている(現役並所得者は3割)。医療費高騰に対する危機感は日に日に強くなっている。それに伴い高齢者の医療費負担を引き上げるべきという議論も盛んだ。

 

自己負担割合が高くなると、高齢者は支出を抑えるために病院へ行くことを控えるかもしれない。そうすると病気の早期治療を逃し、高齢者の健康状態に悪影響を及ぼす懸念もある。もしそうであれば発見が遅くなって治療が開始されるので、医療費自体も逆に高くなる可能性もある。悪影響がなければ引き上げは合理的だが、あれば慎重に検討されるべきだ。

 

実はこの問いに答えを出した研究が存在している。アメリカの「ランド医療保険実験」である。300億円もの研究費を使った壮大な実験である。「医療費の自己負担割合」と「健康状態」の因果関係が明らかになった。細かいことはさておいて医療費の自己負担割合と人々の健康状態には因果関係がないことが証明された。死亡率にも変化は見られないという。

 

注意すべきことは所得が低く健康状態が悪い人に限ると、自己負担割合の増加は健康状態を悪化させる。財源は限られているので、医療費を抑制するために高齢者の負担割合を高くするのは検討されるべき政策だ。余裕のある層には問題はないとしても、貧困層に対するセーフティネットは当然のことだが、維持する仕組みが必要であることは言うまでもない。

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