ちょっととーく

10年続いたJR駅の清掃 2008.9

トイレが使えない

 平成10年の年末、地域内のJR駅をきれいにしようと決心しました。動機はきわめて単純。「駅のトイレは汚くて使えない」という利用者の不満が、窓越しに聞こえてきたからです。

 地域内には芸備線が走っており、安芸矢口、玖村、下深川、中深川、上深川、狩留家と6つの駅があります。そのうち駅長が常駐する安芸矢口と下深川は、比較的きれいです。

 問題は4つの無人駅。信じられないと思いますが、政令指定都市の広島市にも、汲み取り便所が現存しているのです。管理者のいない駅の便所の汚れは、想像を絶するひどさでした。

もうすぐ10周年に

 毎週土曜日、6つの駅をローテーションできれいにしようと決めました。

 平成11年1月2日、運悪く積雪20cmの寒い朝で厳しいスタートでした。

 掃除は一番電車が到着するまでに終了。そうしないと利用されるお客さまに迷惑が掛かります。

 そのためには午前4時半掃除開始、遅くとも6時前に終わらねばなりません。

 1時間半でトイレ、ホーム、待合室、駅前広場の清掃、線路のゴミ拾い、自転車置場の整理整頓が必要。

 幸い社長、有志6~7名の協力で、今年の年末には連続500週、10周年を迎えます。土曜日はお正月でもお盆でも巡ってきます。豪雨の日も極寒の朝もあります。それでも休まなかったのは何故だろうか– 正直言ってよく分かりません。

「きれい!」が後押し?

 駅の管理責任は「JR西日本」にあります。私たちの清掃括動が、要らぬお節介だという指摘もありました。それでも続けられたのは、利用客の「きれい!」の一言でしょうか。

 トイレの悪臭はなくなりました。ほんのひとときですが、チリひとつないきれいな駅が実現しました。線路の吸い殻や空き缶もゼロにはなりませんが、目に見えて少なくなりました。

 いつのまにか放置自転車は影をひそめ、バイクなども整然と並べられるようになりました。きれいにすれば、見る人の心が美しくなり、行いまで変わることを知ったのは大きな収穫です。

新たな実践へ

 少し名残り惜しい気もしますが、10年を機にJR駅の掃除はひと区切りとします。いつまでも大切に使われるよう願っています。

 地域活性化のために、新しい実践を検討しています。残念ながら少ない人数の零細企業ですから、さしたる活動はできませんが、少しでもお役に立てれば…。

 やはりお掃除? 行政や地域力の行き届きにくい公園の美化などに、新しいやり甲斐を見付けます。

Plus One Message

10年続いたJR駅の清掃