掃除に学ぶ

2-11 ~地域に根づく掃除活動~

地域に根づく掃除活動

お掃除の会の脱皮

日本を美しくする会の全国大会は北は北海道の旭川から、南は沖縄の宮古島まで全国を縦断して、今年は32カ所で開催されます。

開催の案内は、その都度各地域の実行委員会から全国のお掃除仲間に具体的な内容を添えて届けられる。

毎回シンプルではあるが、記念講演や交流会があり、メインのお掃除実習へと続く。そこには余程のことがないかぎり日本を美しくする会の総帥鍵山秀三郎さん(㈱イエローハット社長)の姿があります。

もともとこの会は鍵山さんの掃除哲学に共鳴する田中さん(東海神栄電子工業㈱・社長)をはじめとする有志の実践活動の場としてスタートしました。そのため鍵山さんは多忙なスケジュールを調整されて可能なかぎり参加されていたのです。

ところが回数が少ないときはよかったものの、最近のように全国にまたがり、ほぼ毎週開催されるようになると、いかに超人的な鍵山さんといえどもすべての会場への参加は難しくなります。

鍵山さんの名前がない

掃除仲間のほとんどは鍵山さんの信奉者です。掃除の会に参加することにより、その人柄にふれたり、掃除実践の指導を受けたりすることを期待しています。

ところが今回の長崎掃除に学ぶ会の案内状に鍵山さんの名前がないのです。あいさつの項目にも、講演の項目にも、毎回最後におこなわれる講評にもない。つまり参加されないということです。

少なくとも掃除の会は鍵山さんを中心として国民運動にまで成長してきました。掃除に学ぶということもありますが、鍵山さんに会うために参加する人の多いことも事実です。

その意味でも鍵山さんの参加されない掃除の会に、これまでのようにたくさんのメンバーの参加がないのではないか、と危惧する向きもありました。

掃除運動は地域に根付いた

日本の最西端で開催された長崎掃除に学ぶ会は、茨城から、埼玉から、そして沖縄から、飛行機や新幹線を乗り継いで200名を越える全国の掃除仲間が集まり賑わいました。

鍵山さんの姿が見えない掃除の会が大成功したということは、掃除によって日本を良くしていこうという鍵山さんの掃除哲学が、国民運動として地域に根付いたことの証明であり、ほんものであることの証明でもあります。

神奈川掃除の会のお世話をされている丸山さん(㈱カナケン・社長)は「今回の成功は意義深い。掃除運動が独り立ちした記念すべき大会となった。鍵山さんも本懐と思う。掃除によって日本を良くしていこうという運動が日本はもとより、世界中に拡がることを期待している。」と嬉しそうにあいさつされました。

やりがいのあった古い便器

掃除の実習は諌早市の北諌早小学校で行なわれました。開校32年の歴史のある学校です。

トイレは開校時のままで、便器の汚れはしたたかであった。汗みずくで磨いたものの積年の汚れはとれず心残りでありました。

表面についた汚れは簡単に落ちますが、本体に深くしみ込んだ汚れは並大抵のことでは落ちません。

あたかも現在の日本が抱え込んでいる病巣のようでもありました。

(長崎掃除に学ぶ会より)

(98年5月)