掃除に学ぶ

2-3 ~小さな力の結集~

小さな力の結集

全国に拡がる掃除のこころ

第22回広島掃除に学ぶ会は、二度日の全国大会となり、日本の各地から270余名の善男善女が広島に集まられました。

この「掃除に学ぶ会」は、平成4年、わずか36名で岐阜県恵那市で産声をあげた
[日本を美しくする会・恵那掃除に学ぶ会」を起点として、わずか5年足らずの間に、日本の津々浦々まで燎原の火のように拡がり、年間30数回も日本のどこかで全国大会が開かれるようになりました。延べにすると数十万の人たちが参加していると推定されます。

お掃除運動の特徴

いろいろな運動というものは、特定の企業や団体にバックアップされて継続するものが大半ですが、掃除に学ぶ会は違います。

広島掃除に学ぶ会が、只の一度も休む事なく22カ月も続いているのは、個人の立場で人間としての高い志を持つ人の力に負うところが大きいのです。お世話役の中核をなすのは、井辻さん(井辻食産)、佐古さん(事業立地)、梶原さん(YMCAビジネス学校)、越智さん(ヒロコシグループ)など。それを支えているのは「素交」の人たちです。

この人たちの心の拠り所は、鍵山秀三郎さんの「掃除哲学」にあることは言うまでもなく、その哲学を自分の身体を使って実践するところに掃除の魅力があります。

活動を支える水面下の力

たかがトイレ掃除というものの、便器やその周辺を完璧に磨くためには、28種類もの掃除用具が必要であり、その掃除用具を現場に応じて無駄なく準備しなければなりません。一般的に学校のトイレは、男女あわせて20箇所程度あります。

道具の種類×必要数量×掃除箇所=道具の総量となります。

例えば今回の全国大会では、270人分の掃除用具を揃えなければならず。広島掃除に学ぶ会の毎月の参加者は百名前後ですから、約3倍になります。

その用具の調達、掃除現場の状況による用具の分類と仕分け、しかも「短時間で」「無駄なく」「正確」がセオリーですから、いい加減な心構えでは役に立ちません。

今回も前日の深夜まで準備をおこない、当日は午前四時から最終のチェック。午前7時からの掃除スタートに備えられました。

なお終了後、次回に備えての掃除用具の整理整頓は、準備以上に難儀なことなのです。

こうした水面下の作業にいそいそと取り組まれる人の存在抜きには、掃除運動は成り立ちません。

それだけに、水面下の努力を知ることが、掃除を行なうことで得られる「感動」とともに、「感謝」が生まれ「お掃除をさせていただきながら」「自分を磨く」「謙虚になる」という目的に近づけるのです。

至誠神の如し

広島国際会議場で開かれた記念講演で、鍵山秀三郎氏は「たとえ能力は劣っていても、誠意をもっておこなえばそれは神のおこないと同じですよ。」と強調されました。

交流会では、再会を歓びあったり新しいご縁を結んだり、和やかなひとときをすごす。

翌早朝から広島市内の千田小学校を、関係者のご好意で「掃除哲学」の実践道場として拝借し、トイレ掃除に270名が汗を流しました。

そのあと、[おにぎりコンパニオン]の善意による「おにぎり」「味噌汁」に舌鼓を打つ。

お掃除で「神」になった掃除仲間は、多くの学びを得て、再会を約しながら一路ふるさとを目指して会場をあとにするのです。

(広島掃除に学ぶ会より)

(97年9月)