世相藪睨み

あとがき

あとがき

 2003年3月1日は、私の66歳の誕生日である。その記念に、《木原伸雄のちょっと・と~く「世相 薮睨み」》を出版したいと思い、下準備を進めていた。特に理由はないが、自著の上梓6冊目になるので、何となく「6」にちなんでみたという次第。

 ところが、とんでもないアクシデントが起きた。年末の定期健診で、私が胃癌に侵されていると分かったのだ。しかも、胃の全摘出手術を受けるはめになった。従って、残念ながらも6冊目の本の発行はあきらめざるを得なかった。

 しかし神仏は存在する。おかげか、畏友のODA氏(匿名希望)が「私で良ければ編集・校正、印刷までの段取りを、すべて引き受けよう」と申し出てくだ さった。検査中も手術中も、すべてが予定通りに進められた。ゲラ刷りを読んだのは手術後4日目。もちろん病院のベッドの上である。最終の確認は、退院5日 目だった。これほど円滑に進んでいるとは、予想さえもしなかった。この間、会社も社員も家族も、頑張ってくれた。

 生還できて、手術後の回復室で痛感したことであるが、人間は生きているのではなく、生かされているのだ。しかも、あきらめかけていた本を発行にこぎつけていくプロセスでも、「大いなる神仏」の実在と導きを確認することができた。

 思いがけない胃癌による全摘出手術の前後と今回の本の発刊に至る経緯などを考え合わせてみると、これからの私の生き方を大きく変えるきっかけにもなりそうだ。

 何ともありがたいかぎり…。感無量である。

平成15年2月吉日

木原 伸雄

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