ちょっととーく

強く願えば叶うもの 2008.8

不安いっぱいのスタート

 平成15年の冬、胃癌の手術で闘病中に「親子農業体験塾」の構想を練り、スタートすることを決めました。自分の命が定まらない内に始める無謀さに、家族たちは呆れ返り反対。多くの人に迷惑掛ける― と。

 塾生は集まらず、支援体勢も定まっていないときだけに、反対するのは当たり前です。それでも頑固一徹の執念で「まず決断、条件はそれから整える」と生意気を言って押し切りました。

 実際にあれこれ条件を考えていたのでは、結局何もできないまま頓挫するのが関の山です。無謀と言われようが、ともかく一歩踏み出す―それが大切です。

ホームスティ

 幸い難しいと思われた条件も整い、手探りながらスタート。欲を捨て損得を超えれば、新しい世界が手を広げて待っています。

 農場管理や施設の整備など、ふるさとの支援者たちがすべて無償で協力してくれました。基本の費用は塾生家族が負担、行政の経済的支援を受けないで何とか運営が可能に。

 屁理屈をこねないでまず実践、そうすれば道が開けると学びました。

 3年目から欲が出て、塾生たちに農家の暮らしを体験させたいと「ホームスティ」を企画。強く願えば叶うもの。支援者に迷惑を掛けながらも実現。塾生たちは戸惑いながらも、嬉々として親とはなれた農家の暮らしを体験。自然の不思議さに驚きがいっぱい。

親も知らない子供の成長

 自然体験や農業体験はグループごとに、リーダーの指揮により活動を展開。大自然に包まれているせいか、やんちゃ坊主たちも思いがけず素直になります。

 どちらかと言えば便利には遠い不自由な世界。大きい子供は寛容になり、小さい子供をいたわる。小さい子供は言い付けを守りながら、小さな世界で社会規範をしっかり学びます。

 ホームスティ先では迷惑を掛けないように、自然にわがままがか影をひそめる。細やかな体験を通して、机の上では得られない貴重な習慣を身につけていきます。

 目を見張るような子供たちの成長ぶりを、きっと親は信じられないでしょうね。

三世代が溶け合って

 過疎地の集落は、小さな塾生たち、若い保護者、世話役の高齢者の三世代が溶け合って賑わいます。損得を越えた世界で、新しい体験を重ねます。

 核家族の多い世の中、別次元のふれあいを至るところで創出。殺伐な今の社会では考えられない、穏やかな世界です。

 小さな実践が生み出した子育て教育環境が、自然を舞台に花開きました。

Plus One Message

強く願えば叶うもの