「好老社会」を創る①~高齢者は老人ではない~
65歳以上、過去最多
総務省は「敬老の日」に合わせて、日本の高齢者人口(9月15日現在)の推計値を発表しました。
それによると65歳以上の高齢者は前年比6万人増の2944万人、総人口に占める割合は23㌫を超えました。
つまり4人に1人は高齢者なのです。
さらに驚くべきは年代別で70歳以上は61万人増の2121万人、75歳以上が53万人増の1422万人、
80歳以上でも38万人増の826万人、年齢が上に行くほど増加率が高いのです。
今の日本はあれこれ不満はあっても、人類最大の願い「不老長寿にもっとも近づいた天国」になりました。
特に最近は若者の馬力や情熱よりも、高齢者の知恵と判断が尊重される時代になったと言っても過言ではありません。
威張るわけではありませんが、高齢者なくしては成り立たない社会になったのです。
これからは「好老社会」の時代なのです。
高齢者は老人ではない
厚生労働省は15歳から65歳までを「生産年齢人口」と呼び14歳以下を「年少人口」、
65歳以上を「老年人口」としてきました。「年少人口」と「老年人口」を総称して「従属人口」、
つまり他の人に養ってもらうべき人々というのです。
とんでもない間違いですね。働き盛りの子世代が、65歳以上の親を養っている家庭なんて探すのに苦労するほど。
高齢者は子供たちに養ってもらうどころか、脛を齧られているのが現実です。
老齢年金で若い人に負担を掛けているという人もいますが、年金は自分が働いて積み立てたお金を返してもらっているに
過ぎません。
時代は大きく変化しています。今こそ高齢者がリーダーとなって「好老社会」を創りましょう。
繰り返しますが、高齢者は決して老人ではありません。
気分はヤングの80歳世代
親子農業体験塾「竹の子学園」の世話役は、昭和一桁生まれが中心。
12名のうち今年「傘寿」を迎える人が4名。長い間、農業で鍛えた身体は頑健そのものです。
9月塾では、ナスやゴーヤの収穫、ハクサイの苗植え、ダイコンの種まきなどの農業体験をしました。参加者は親子が
合わせて45名、世話役や運営員を含むと約60名の活動です。
午後は恒例の秋の大運動会。大歓声に包まれてプログラムは終了。
それだけでは物足りない世話役が、ママさんチームに「綱引き」で挑戦。
平均年齢が80歳に近い世話役チームと30歳台のママさんチームの初対決。
こどもやパパたちの声援に押されたのか、世話役チームは押し捲られ、一勝一敗の引き分けが精いっぱい。
男性上位で生きてきた高齢者たちは、よほど悔しかったのか「来年はしっかり鍛えてリベンジ」を宣言。
「壊れないでね」とママさんチームのやさしい労わり。ここにも「好老社会」があります。