続・世相藪睨み

No.17 ~嫌な奴でもニッポンの  ためになるなら批判中傷  よりも叱咤激励を! ~

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”嫌な奴でもニッポンのためになるなら批判中傷よりも叱咤激励を!”

菅直人首相の大胆な改革提案

 菅首相が政権に就いて実現したことはほとんどなく、メディアと野党、そして自身が率いる民主党の多くの議員が追い落としに躍起になっている。菅さんも前任者たち(安倍、福田、麻生、鳩山)に続いて歴史の塵に消えるかと思われたとき、彼はこの20年間の経済停滞期に試されたどんな政策よりも急進的な改革をまとめ上げた。外国人を魅了し、優勢なうちに退任した小泉純一郎元首相でさえこれほど無謀とも思える大胆な改革は試みていなかった。

①社会保障を全面的に見直す計画で支払能力の保障と国の財政を安定させる手段として、6月までに消費税率引き上げに関する計画をまとめる。

②財政引き締めと成長刺激策を一体化し、九カ国に拡大した地域自由貿易圏・環太平洋経済連携協定(TPP)に参加したいと考えている。(同協定への参加は農業ロビー団体を屈服させることを意味する)

③米国志向の貿易圏を優先する姿勢は、日米同盟復活に向けた取組みと同時に、中国の台頭への対応と世界における日本の地位に関するビジョンを明らかにしている。

 日本のメディアと受け止め方が異なるから、門外漢にとっては称賛なのか皮肉なのか分かり辛い。

 エコノミスト誌はなるほどと思わせる見方もしている。「菅首相は抜け目のない政治家であるが、演説は下手で小泉氏のような華やかさは全くない。しかし、奥の手がある。それは、古い政治に対する国民の不満の高まりだ」。奥の手をどう使うか。

国民にすべてを委ねる

kann2_copy_copy国債の増額発行、子ども手当、農家の戸別所得保証、高速道の無料化、などなど、愚図な政府の対応にウンザリしている有権者は複雑な心境で見つめている。政治家は支えてくれなくても、もしかしたら国民は支持してくれるかもしれない。鳩山前首相のように単なる思いつきや軽口ではなく、信念の産物であることを行動で示してもらいたい。いずれの提案も理に適ったことであるが、野党はもとより政府与党にも声高に反対する勢力は多い。大半の国会議員は、日本のためより己の選挙を優先する。信念や持論とは関係なく、己の地位を与えてくれる一票に土下座する。したがって菅首相の改革提案は支持されないかもしれない。そのときは小泉さんのように政治家の頭越しに有権者にアピールすべきだろう。解散権を使おう。

 深い眉間の皺、落ち着きのない態度、うつろなまなこ、多すぎる「あの~」、目線を落としてしかモノが言えない、好みで言えばタイプではない。しかし、いまピンチに見舞われている日本国の総理大臣は、菅直人ただ一人。批判中傷して足を引っ張るよりも、叱咤激励して尻を叩くのが道に適っているような気がする。

わが「ディリーメッセージ」

還暦直前の平成8年、ふとしたきっかけで「ディリーメッセージ」と称する600字前後の雑文を書き始めた。内容は政治、経済、教育、ビジネス、スポーツなどあらゆる分野にわたるが、不平・不満や愚痴などの域を超えることはない。そう長くは続かないと高をくくっていたが、平成23年2月末日で5182号になる。この間、胃がんの全摘出手術などのアクシデントもあったが、なぜかそれでも休んでいない。

 もともとは社内向けのメッセージだったが、一週間分まとめて畏友にFAXで届けてもいる。昨年10月からホームページでも公開を始めた。何事も三日坊主で、あれこれ言い訳しながら先送りし、挙句の果てはポイ捨てしている。それなのにこの「ディリーメッセージ」と「はがき」「そうじ」は、15年間、一日も休まず続いている。よほど相性がいいのだろう。5000日も続けば、ちょっとした自慢もできる。

 生意気にも政治に対して文句を言っているが、中には面白い一文もある。菅直人さんは小沢一郎さんを処分したが、おかしな16人に反旗を翻され、おたおたしているように見えるが果たしてどうか。

 解散を求める世論が大きいとメディアは伝えている。国会議員になりたい一念で生きている人たちが、自らを解雇するとは思えない。とすれば、任期を半分以上残しての解散はあり得ないだろう。そうなら菅さんに頑張ってもらうしか手はない。わがディリーメッセージで激励の一文を…。

近代政治史に名を刻む名宰相に(№5143号 11・1・8日)

最近の政治家は明確な言葉を発する能力を失っている。いくら思いがあっても、具体的に口にしなければ国民に伝わらない。菅直人首相は年頭の記者会見で、珍しくはっきりモノを言った。小沢一郎元民主党代表に「不条理を正す政治」の一環として、表舞台から去るよう忠告した。この一言で日本の政界に君臨した怪物は消え去る。

 条件を整えるにはこれから難所に差し掛かるが、やせてもかれても最高権力者の意思だからその方向に進む。そうなれば鳩山由紀夫前首相も出番がなく、得意の軽口撤回でもう一度引退を表明するかもしれない。小沢さんの降壇は単に民主党の害毒を取り除くにとどまらず、田中角栄時代から続いている政治の仕組みの終焉を意味する。目出度い限りだ。

 菅首相が「国民生活第一の政治」を目指すなら、まず明確な目標を設定し、然る後に実現の条件を整えてもらいたい。条件を整えて物事を決めるのであれば何一つとして実現しない。平成の開国→TPPの参加、財政再建→国会議員、公務員の削減、消費税の増税などによる安心社会の実現、日米安保体制の確立→普天間基地の移転など、まず決定すること。

 国民の支持率を気にしない、政界、経済界に斟しん酌しゃくしない。評判の悪い子ども手当てをはじめ農業や高速道のばら撒きは、誰が反対しても止める。総理大臣の鶴の一声はそれだけの力を持っている。一つずつ着実に行えば、総理の座を失うかもしれないが、近代政治史に菅直人の名前が刻まれる。もはや失うものは何もないだろう。乾坤一擲の勝負を賭けるときだ。

2月23日に開かれた民主党常任幹事会で、小沢一郎氏は事実上追放された。万事に信念を貫けば、勢いは世論の風が持ってきてくれる。

(2011、2、28)。