続・世相藪睨み

No.12 ~沈みゆく日本の政治に喝!”日本、この手でなんとかする”運動の旗揚げ~

No.9 ~子供は無限の才能を秘めている。親の責任でチャンスを与えたい。~No.9 ~子供は無限の才能を秘めている。親の責任でチャンスを与えたい。~seso_12_00

箱根の山に集結した「志」

 平成21年3月15日朝、広島空港を離陸して約40分、左翼方向に神々しい富士のお山が姿を見せた。春らしからぬ寒波の到来で、やや大きめの綿帽子を冠っていた。手前の箱根一帯は春の太陽をいっぱいに浴びて、萌黄色に輝いている。

 この日は箱根・仙石原文化センターに全国から約500名の志ある人々が集結し、日本政治の沈没に歯止をかける〝日本、この手で何とかする!″箱根会議が開かれる。歴史的な集いに日本の象徴である富士山が、全身で祝福しているように思えた。

 わが国の政治のありさまを横目で見ながら、他人ごとのように不平・不満を口にして何とかなる時代ではなくなった。日本の舵取りをすべき政治家の姿は、あまりにも恥知らずで己の欲望と保身のためにのみ税金を浪費している。彼らに政治を任せていたら、傾きつつある愛する祖国は間もなく沈む。

 〝今、新しい風を起こそう! 国民の手で現状を変革しよう″と呼び掛けたのは、上甲晃さん。上甲さんは《松下政経塾》の塾頭、副塾長として16年間、志の高い人間教育に携わり、多くの政治家や経済人を育てるために精魂を傾けてきた。

 それだけに現状の政治を見過ごせず、国民の手で日本を再生しょうと立ち上がられた。この日、箱根に集まったすべての人が、上甲さんの熱意に賛同して〝日本、この手で何とかする!″運動の発起人として全国の心ある有志に呼び掛ける。

 政治は国民に未来への希望・夢、そして生きる勇気と誇りを与える役割を担っている。国家百年の計を立て、子々孫々のために誇れる日本を実現するというのが心願である。

 

子々孫々のため国家百年の大計を

 この運動を支える発起人の代表は、山田宏・東京都杉並区長、中田宏・横浜市長、中村時広・松山市長の三名である。他に国会議員の逢沢一郎氏、長浜博幸氏、村井嘉浩・宮城県知事、河内山哲朗・柳井市長、鈴大康友・浜松市長も発起人として加わる。松山市長の中村さん以外はいずれも松下政経塾出身で、上甲さんの薫陶を受けて政治家になった。

 午後1時からの意見発表は、延々5時間の長丁場になった。500名を超える参加者は、身じろぎもせず聞き入った。それだけ国の未来に心を馳せる人が多い証である。

 上甲さんの思い。『世界は未曾有の困難に遭遇し、誰もが自分の綻びばかり目が行き、他人のことなど考えるゆとりがなくなっている。それなのに〝日本、この手で何とかする″運動の呼び掛けに、これだけ多くの人が全国から箱根に集まってくださり、感無量…感謝!感激!

 今、日本に必要なのは経済対策だけではなく、日本人としての誇りと高邁な精神を取り戻すこと。

 日本の国には国家の理念と方針がない。会社ならとうに倒産している。羅針盤を持たない日本が、政治的にも経済的にも行き詰まるのは自然の成り行きだ。今日の実践報告、政治家の決意を受けとめ、先ず自分からと心に決めて、日本を良くする運動の輪を広げてもらいたい』日頃は冷静な上甲さんの熱弁に、会場が割れんばかり拍手で会議の幕は揚がった。

 立ち上げのテーマは〝国家百年の大計、目指せ命の大国″

 「農」と「食」の実践者にたちの報告からスタートした。

 

食と命の教育が不可欠

 最初に登壇したのは林浩陽さん(石川県)。林さんは上甲さんが主宰する志ネットワーク『青年塾』一期生。
 
 21世紀は農業の時代!と喝破した上甲さんの薫陶を受けて成長した。34ヘクタールの米づくり農業法人を経営。「農家への補助金はモルヒネである」と国の農業政策の誤りを指摘、農業で利益を出して法人税を支払おうと呼び掛けている。

 何百年も同じ場所で作り出せるのは米しかない。米こそスーパー作物だ。子供たちに「田んぼの授業」を行ない、続けている。命を生み出す食の大切さを伝える活動だ。食と命の教育が不可欠。義務化を提唱する。

 青年塾二期生の長田竜太さん(石川県)は「日本の産業は一次から二次、三次、四次と発展した。今、命が危機にさらされている。食料自給率を100%にしなければ、死が待っている。食料の輸入が止まれば、10人中、4人しか生き残れない」と一次産業(農業)の大切さを訴える。

 岩崎輝明さん(北海道)は「健康道」、潮谷愛一さん(熊本)は「福祉の現場から」大塚貢さん(栃木)は「食と子供」料理研究家の辰己芳子さん(東京)は「風土に即して命を食べる道理」について、それぞれ食と命の大切さを語られた。

 辰己さんは皇后さまの要請で皇居を訪問されたとき垣間見た、天皇ご一家のつましい暮らしを紹介された。

 締め括りはジャーナリストの桜井よし子さん。「日本の未来に求めるもの」をテーマに、世界における日本の位置付けを紹介。祖先の素晴らしさをもっと認め、明るく前向きに生きたい。大人の私たちが自信を持って日本の良いところを、子供たちに伝えようではないか。私はこの運動を応援しますーと力強い言葉。

 

時代は国家の変革を求めている

 後半は政治家からのメッセージだったが、国会議員の話は実にくだらない。責任の軽い立場の人間は気楽なものだ。二大政党の親分と同じように、役立たずの政治家たちが日本を駄目にしたと分かる。盛り上がった熱気を一気に冷やすほどだった。

 しかし、責任ある首長は違う。それぞれの地域で改革に取り組んでいる姿勢が伝わり、国を思う情熱が参加者の心を揺すぶる。閉塞感に覆われた日本の政治に失望していたが、元気溢れる首長たちのメッセージに希望の灯りを点された思いがする。

 とりわけ〝日本、この手で何とかする″活動を牽引する山田宏・杉並区長、中田宏・横浜市長、中村時広・松山市長の志は、500余名の人たちを奮い立たせるオーラを放った。

 その願いは、山田宏著『日本よい国構想』が分かりやすい。内容を紹介できないのは残念だが、五章で構成されるテーマで推察を乞う。

第一章 人間の幸せを考える

第二章 「自由」と「責任」と「相互尊重」

第三章 誇るべき国、日本

第四章 なぜ「私たちの幸福」が実現されないのか

第五章 「豊かで、楽しく、力強い国」となるために

解 説 中田宏 回天への道すじ

 発起人代表の山田宏52歳、中村時広49歳、中田宏が44歳、3名は奇しくも昭和30年代生まれ。

 麻生太郎、小沢一郎など昭和10年代生まれの政治家は、速やかに表舞台から去るべきだろう。過去の業をいっぱい背負っていては、日本再生の道すじなど望むべくもない。