世相藪睨み

No.15 ~悪質な訪問販売ご用心~

悪質な訪問販売ご用心

どこまで続くのか「ぬかるみ」

今年2月にカナダのオタワで開かれた先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議〔G7〕で、塩川正十郎財務相は日本の経済運営について説明、2003年度には国内総生産(GDP)の実質成長率を1%にすると明言した。

これはデフレを克服しながら、不良債権処理などの構造改革を進めると、国際公約したことになる。本当に可能なのか…?

民間調査機関の東京商工リサーチの発表によると、2001年の企業倒産は一万九千百六十四件、負債総額は十六兆五千百九十六億円に上り、ともに戦後二番目の記録となる。

マイカル、東京生命保険、青木建設などの大型倒産が相次ぎ、勤め先が倒産した従業員総数は、過去最多の二十二万人にも及ぶ。

しかも、企業倒産は米国同時多発テロのあった同年九月以降に急増し、この傾向が2002年になっても続いていることを考えると、今回の塩川財務相の国際公約は、一時しのぎの強がりにしか聞こえてこない。

業者は、売らなければ生き残れない

2001年における広島県内の倒産件数は402件で、負債総額は九百六十一億千六百万円となっている。大変な事態だ。しかも業種別でみると、建設関連が最も多く四百億円を突破し、他の業種を大きく引き離している。

倒産の引き金となった主因は販売不振で、赤字累積や売掛金回収難を合わせた不況型倒産が二百六十三件もあり、全体の三分の二を占める(東京商工リサーチ広島支社調べ)。

今後も不良債権処理は引き続き行われる見通しだから、全く予断を許さない状況にある。

ここまで景気が落ち込んでくると 「景気の回復を待つ」 などと、悠長なことを言ってはおられず、どの業種であれ、どこの業者であれ、何が何でも売らなければ生き残れない。

建設業界であれば、お客さまから注文を取らなければ生き残ってはいけない。いきおい無理な売り方を強いるようにもなる。

並の方法では売れないから、あの手この手を使って、消費者の心のすき間を狙った悪徳商法もはびこる。特に訪問販売業者の中には極めて悪質な販売方法を、巧みに用いるケースが多い。彼らも生き残りを賭けているから消費者を相手に、必死でうごめいている。

消費者は、だまされる前に賢くなろう

広島市消費生活センターに寄せられる苦情では、住まいに関する訪問販売の事例が130件(2001年4月~11月)で第六位にランクされ、前年と比べ60%も増えた。

主な苦情は床下工事、屋根工事、外壁工事などにかかわる。最近では「市役所から依頼された」などと偽って宅地内の排水管などの洗浄を行い、高額な費用を請求する―などのあくどい事例も目立つという。

消費者が最もだまされやすいのは「点検商法」である。無料で床下や屋根、外壁などの点検を持ち掛けたうえ、「異常がある」「このままではダメになる」「危険だ」などと、点検結果をもっともらしく家人に報告する。

重要な財産である住宅が「危険」と言われて、冷静なままの人は少ない。有利そうな条件でも示されれば、ついその場で契約となる。それも分からなくもない。といって、貴重な金銭を詐取されて良かろうはずがない。

そんな被害を免れるためには、ともかく、消費者自身がまず賢くなるべきであろう。

そのキーポイントは、「この世知幸い世の中に、自分だけが得するようなうまい話は絶対にない」 と、肝に銘ずることである。

(2002年3月号掲載)