続・世相藪睨み

No.21 ~統治者能力のないリーダーに国家の将来を委ねる不安~

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”統治者能力のないリーダーに国家の将来を委ねる不安”

海江田万里経産大臣の号泣に唖然

7月29日に開かれた衆議院経産委員会で海江田万里経産大臣は、自民党の赤沢亮正委員に大臣辞任の時期を追及されて号泣したらしい。涙ぐんだという記事もあるが、最後には大泣きしたようだ。福島第一原発事故の後処理や、原発政策を巡る菅直人首相との対立が続いて感極まったのか。菅首相の執拗ないびりに同情論もあるようだが、事情が何であれ国会の席で号泣されては、とんちんかんな政策に振り回されている国民はたまったものではない。

記者会見で「尋常でない状況が続いている」と言い訳をしていたが、号泣したいのは国民の方だ。原発政策を巡って菅首相とことあるごとに対立、担当閣僚として苦悩していると伝えられるが、政治家も小粒になったものだ。この程度のことで涙を見せるだけでも大臣失格だ。「いつ辞めるのか」と追及されて、「もう少しこらえてほしい」とは答弁にもならない。質問する赤沢委員も成り行きに驚いたのではないか。菅首相のように何を言われても馬耳東風の厚かましさは恥ずかしいが、やっていることに信念があるのなら、大臣らしくドーンと構えてはどうか。

同日の夜開かれた「東日本大震災復興対策本部」で復興基本方針が決定されたが、担当閣僚である海江田大臣は欠席した。理由は「私に連絡が入っておらず、知らなかった」と連絡ミスが理由だと述べた。それでものごとが決まるのなら、形式的なものか、もしくはいい加減なものではないか。政治家たるもの感情でものごとを決めるのはよくないが、男泣きするほど辛いのなら菅首相に辞表を叩きつけてやればよかった。国民のイライラも少しは解消されたのではないか。

借金してもばら撒きをやめない「税と社会保障の一体化改革」

よく考えると菅直人首相はツキのない政治家だ。内外ともに大きな問題がなければボロを出さない宰相になれただろうに、あいにく東日本大震災に加え福島第一原発事故など未曾有の災害が相次いで勃発した。餅は餅屋に任せればよかったのだが、権力を振り回して素人がしゃしゃり出たから、二進も三進も行かなくなった。東日本大震災や原発問題に国民の目が向いている間に外交も内政もとんでもない方向に進んでいる。

その一つ。「税と社会保障制度の一体改革」が一応の成案を得たが、案の定「消費税引き上げ反対」の大合唱が起こり、消費税の引き上げは事実上封印された。核心の引き上げ時期は2010年代半ばまでとあいまいになった。その上、「経済状況の好転」という条件まで付された。普通に考えれば同時期までに経済状況が好転するとは考えにくい。それどころか識者らはさらに悪化すると予測している。一体改革の目的は、少子高齢化に耐えうる社会保障の構築だった。それなのに高齢者の医療費や年金支給開始年齢の引き上げなどの負担増はことごとく見送られた。

民主党がお願いを嫌う理由は、選挙に勝てないからだという。有権者もアホではないから、いつまでもばら撒き政策を信頼しないだろう。財源の当てもないのに、巨費を必要とする政策を目玉にする政党が支持されるとは思えない。これからも高齢者は増え続け、制度の支え手である若者は減り続ける。高齢化社会においては、自助自立を基本にして社会保障が本当に必要な人に絞り込み、すべての人に支払能力に応じた負担を求めるしかない。国民一人一人が覚悟すべきときに来ている。

一人暮らしが3割を超えた気楽な暮らしは心細い暮らしに

半世紀前のNHK「きょうの料理」のおかずの材料は6人分、ほどなく4人になり、今では2人前が多いそうな。ぼつぼつ1人前が必要になる。昨年の国勢調査によると、一般世帯数は5093万世帯。一世帯当たりの人数は、2・46人と減少の一途をたどっている。家族形態別では「一人暮らし」が一位で1589万世帯。以下、「夫婦と子ども」、「夫婦のみ」と続く。65歳以上の年金受給対象者は23%で世界一、15歳未満の割合は13%と主要国の最低だ。高齢者は増え続け、子どもは減り続ける。この事実は放置できない。

 人類未体験の少子高齢化に伴い、社会保障の破綻、老々介護、孤独死など不安のタネは尽きない。それでも菅内閣は何もしない。したくても政策決定システムがなく、統治体制が歪んでいるから何も出来ない。毎年一兆円ベースで増え続ける社会保障費の自然増に、財源の当てもなくいつまで目をつむっているのだろうか。責任転嫁する野卑な怒鳴り声は聞こえてくるが、真摯な政策論争は届かない。今でも7400万人の勤労世代では、2946万人の年金世代を支えられない。やむなく赤字国債でやりくりしている。

 ばら撒きマニフェストの平謝りはいいが、公務員の2割減、国会議員の定数減、天下りの根絶、特殊法人の全廃などは話題にも上らない。何よりもわが身を削る。その上で国民に税の負担、年金支給年齢の引き上げをお願いする。その大元を正さなければ、不安はいつまでも消えない。

震災に教わるまでもなく、血縁より頼りは地縁というが、細くなった「互恵互助」の絆は大丈夫だろうか。

つましい暮らしが生きるわが省エネ・節電の日々

豊かな時代を謳歌した世代に求めるのは難しいが、つましい生き方が通用する世の中になった。モノを大切に使い、ムダを省く暮らしが社会貢献につながる。間もなく後期高齢者の仲間入りをするが、幸いにして年中無休(夢求)の日々を過ごしている。会社では個室を与えられているが、冷暖房の設備はない。昨年も今年も真夏日は当たり前、猛暑日も少なくない。やせ我慢をしている訳ではないが、30度を超える室温も窓を開ければそれほど辛くはない。わが家でも超クールビスで熱帯夜に扇風機のお世話になる程度。家族の評判は芳しくない。

 通勤は往復3㌔程度だが徒歩に決めている。愛車は年代ものだがエアコンを使わなければ、リッター当たり12㌔と4㌔も余分に走ってくれる。テレビをつけるのはニュースの時間くらいだから、室温も上がりにくい。問題は冷房のあるホテルや新幹線だが、長袖を着ていれば風邪をひくこともない。当然のことながら暖房も使わない。ひざ掛けをして下半身を保護すれば、室温10℃でも気にならない。省エネ生活を嘲笑されたときもあったが、最近は羨ましがられている。特に努力している訳でもなく、子どものころ祖父に教えられた生活の知恵を生かしている。

 暑さ寒さを凌げる生活習慣を持っていると、生活コストは極端に下がる。企業も個人も節電を求められている。原発運転の再開が危ぶまれている現在、愚痴を言っても始まらない。この機会に暮らしを見直してはいかがだろうか。その気になれば苦にならない節電のヒントはいくらでも見つかる。但し、がんばり過ぎて命を粗末にしては元も子もない。