続・世相藪睨み

No.23 ~有害無益の  小沢一郎の追放が、  民主党を大人にする第一歩 ~

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”有害無益の  小沢一郎の追放が、  民主党を大人にする第一歩”

民主党の代表を退いてから国民の前に滅多に姿を見せなくなった小沢一郎氏が、自らの資金管理団体をめぐる政治資金規正法違反事件で元秘書3人が有罪判決を受けたことについて、インターネットの番組で久し振りに公開の場で発言した。民主党の代表選挙のときでさえ、マスコミは側近を通じてしか記事に出来なかった。すべて推測記事でしかない。何を根拠に無罪と信じていたか分からないが、小沢氏も人の子、わが身に火の粉が降りかかるとなると、姿を見せ勝手な言い訳を始めた。

 「びっくりした。独裁国家で『気に入らない奴は有罪』という国なら別だが、証拠もないのに裁判官が推測に基づいて有罪を決めるのは、民主主義国では考えられない」と厳しく批判した。小沢氏は自らが裁判官のつもりでいるのかも知らないが、民主主義国では証拠に基づいて法で裁かれる。証拠のあるなしは裁判官の判断、有罪無罪も裁判官が決める、それに従ってこそ国家は成り立つ。

 それにしても小沢氏は思い込みの激しい面白い人だ。まるで裸の王様みたい。まもなく始まる自身の初公判に関して「ぼくは旧来の仕組みを変えて国民の生活を安定させなければならないと思っている。これは旧来の体制を変えることで、既得権を持っている人には『あいつだけは許せない』という意識が働く。彼らの狙いはぼく自身だ。政権交代のスケープゴートにされた」とも述べ、争う考えを示した。誰も小沢氏を生贄にしようとは思ってといない。小沢氏と企業の癒着の犯罪を裁こうとしているに過ぎない。

ダーティ政治家を居座らせる愚を知れ

小沢氏は民主党代表として「国民の生活第一」と全面に掲げて政権交代を果たした。その後はルーピー・鳩山由紀夫内閣を幹事長として操りながら、国民の生活どころか国家さえ危うくさせ、日本国の信用まで奈落の底に貶めた。九月号で「どじょう首相に期待、『朽ちた皮袋』の中身をそっくり川へ流してはいかが」と提起した。中身とは「ダーティおざわ」「ルーピーはとやま」「クレージーかん」のこと。小沢氏は政治家になって国家・国民のことを考え続けたとは信じがたい。己の権益を大きくすることに専念してきたのではないのか。小沢氏は政治家ではない。薄汚い利権屋に過ぎない。それでも先の民主党代表選では、小沢詣でが公然と語られる。民主党のアマチュア政治家の気持ちは分からないでもないが、無冠の帝王・新聞記者まで政治家として価値のない小沢氏を持ち上げることはないだろう。

 東日本大震災に遭遇して豪腕を発揮するのかと思いきや、見えないところで頑張っているのかもしれないが、少なくとも復興に向かって役立つ発言をしたとか、具体的な行動を起こしたとか、ニュースで伝えられたことはない。もっともこれから復興事業が始まれば、利権に介入してお得意の豪腕を発揮するのかもしれないが…。それは誰も期待しない。選挙や政局に手腕を発揮することは誰もが認める。しかし、その結果は日本の政治を著しく歪にしただけ。少なくとも「国民の生活が第一」とは対極にある活動で実力を発揮し続けている。百害あって一利なし。ぼつぼつ民主党議員もメディアも、小沢氏を無視してはいかが。

少しがっかりした、でも期待している

先月号で野田佳彦新首相に期待を込めてエールを送った。①国民目線で当面の政治課題に全力を上げながら、政界再編成への道筋をつけてもらいたい、②政治ビジョンを実現するためにリーダーを支えるブレイン集団を構築してもらいたい、③国民に自分の言葉で語りかける宰相になってもらいたい。国会は閉幕したが党内融和を優先するためか、泥どじ鰌ょうの実力は発揮されないまま。施政方針演説も国連総会の桧舞台でも、目線を下に落とし原稿を棒読みする姿にがっかりした。しかも内容は総花的、抽象的で野田ファンを失望させた。 小沢一郎元代表の秘書らが有罪判決を受けた直後の予算委員会で「司法判断にコメントするのは差し控えたい」と当たらず触らずの答弁をした。犯罪者の秘書を3人も出した小沢氏に即刻、除籍処分をするか、少なくとも離党勧告ぐらいはすべきではないか。小沢氏は臆面もなく血税を私物化している。旧新生党の解散時の残金など、迂回して自分の政治団体に移した。これらの資金には立法事務費や政党助成金が含まれている。法の上では罪にならないのかも知れないが、国民の目から見るときわめて巧緻な犯罪に見える。まもなく公判は始まるが、野田首相は民主党代表室に小沢氏を呼び、離党勧告をするチャンスではないか。あの田中角栄氏でさえ、起訴されてすぐ離党した。民主党は居座りが当たり前なのか、子分が有罪判決を受けても親分は知らん顔。小沢グループの議員たちは激励会までしたというから呆れる。判決の結果は分からないが、無罪になったとしても、少なくとも無実ではない。

愚直さを存分に生かして国造りを

野田首相に期待するのは個人的な理由もある。平成の坂本龍馬と期待して支援を続けている前横浜市長・中田宏氏、日本創新党党首・山田宏氏などと国家観を共有していると信じられるからだ。同時に政界再編成への期待も大きい。

野田首相の松下政経塾時代の恩師上甲晃氏(松下政経塾・元副塾長、現志ネットワーク代表)は、志ネットワーク誌84号で次のように述べている。「(抜粋)日本丸は戦後六十五年使用した老朽船で、船底に既得権益という名の牡蠣殻がいっぱいこびりついています。だから日本丸は遅々として進まないのです。それどころか船底に空いた穴から浸水が始まり、沈没の危険があります。船長が代わったからといって、日本丸のスピードが急速にアップすることはありません。牡か蠣き殻がらをふるい落とし、船を新しく造り直さなければならないところまできています。あなたには牡蠣殻をふるい落とし、船を造り替える仕事に着手していただかなければなりません。

今こそ日本の政治を根底から変えるチャンスです。民主党が割れ、自民党が腰砕けていくことは、老朽船を新造船に変えることです。〝自民党をぶっ壊して〟という総理大臣もいました。あなたもまた〝民主党をぶっ壊して〟でも、〝民主・自民の政党の枠組みをぶっ壊して〟でも日本の未来を開くために、山積する国家課題に、断固として対処する力強い政治を期待します。がんばれ、野田佳彦! 松下幸之助は見守っている」。

ニッポン再生の最後のチャンスを粘り強く、泥臭く生かして欲しい。