世相藪睨み

No.24 ~さあ弱者の出番!~

さあ弱者の出番!

寒風が身にしみる師走

 ある経済研究所が発行した「総合建設要覧・広島県版」(2002年版)を、このほど入手した。

 その最新要覧を見ると、土木・建築業は広島県内に3600余社を数える。

 そのうち、完工高100億円を超えた中堅企業は24社に減少。バブル最盛期前後と比べて隔世の感が強い。市場のパイが急速に縮小したことがよく分かる。寂しい限りだ。

 もっとも、赤字決算を出した中堅企業は、わずか3社だけである。「さすが」というべきであろうか。

 一方で、同業界を底辺で支えている完工高1億円以下の超零細企業群は約2000社を数える。その中で赤字決算にあえぐ企業は1700社にも及び、実に悲惨な現状を示している。

 しかも、赤字企業のうち8割は債務超過。バブル崩壊以降の十年を超える不況で、大手企業などに虐げられてきた超零細企業群は息も絶え絶えだ。もはや悲鳴すら上げられない段階まで追い込まれ、明日をも知れない。

 新しい年を笑顔で迎えられる零細企業は、どのくらい残り得るだろうか。他人事とは思えない昨今である。

商道も地に堕ちたか

 「貧すれば鈍する」ということわざもあるように、業績アップのために法を犯したり、消費者を欺いたり、安全性を無視したり…。責任ある企業の不祥事が、今年ほど表面化した事例は過去にない。雪印しかり、日本ハムしかり、東京電力しかり…。

 枚挙にいとまがないほど大手各社の経営責任者らが、テレビカメラの前で頭を下げた。

 「自分さえ良ければ…」と考えているトップのなんと多いことか。深々と敬礼する姿のなんと哀れなことか。

 表にこそ出ないが、この手の企業はゴマンとある。自分を守るためなら消費者を泣かそうが、弱者を泣かそうが、なりふり構わない。儲けになることなら何でもするタイプだ。

 嘆かわしい世の中になったものよ。

大企業の傲慢な仕打ち

 実例の一つを挙げてみたい。私は次のような、あきれたケースを経験している。

 我が社が、損害保険の代理店契約を交わしていた大手損保会社の対応ぶりだ。

 最近、自動車保険を契約いただいているお得意さまの契約継続を拒否すると、同社から通告…。事情を聴いてみると「高額補償をした契約者は再契約に応じない」と言う。

 誰も故意に交通事故を起こす者なんていない。偶発的にやむなく遭う。だから万一に備えて、損害保険に加入するのだ。

 従って、リスクも背負わない損保会社なら存在価値はない。保険料金も、事故の有無によって割り増しを徴収しているではないか。

 こうも言い放つ。「以前は、加入者側が保険に入ってやっていると思っていたんだろうが、今は、入れてやる時代だ…」

 なんと傲慢な言い草ではないか。損得は別としても、保険加入者の存在こそが損保会社としての成立条件。「入れてやる」という姿勢・言動は無礼の極みだ。

 おまけに、同社では、小規模な代理店だとコストがかかるので、「切る」ことにしている― と言ってはばからない。代理店は、保険会社にとって大切なお客さま。社員のリストラでもあるまいに、「切る」はないだろう。

 我が社は、名実ともに小規模な代理店である。同社から切られる前に、当方から即座に代理店契約の解除を申し入れた。弱き者のささやかな抗議の思いを込めて…。ともあれ、弱きを誇り、前を向いて元気を出そう!
        
(2002年12月号掲載)