続・世相藪睨み

No.29 ~いざ決戦!もうあなたを相手にしない(野田) やれるものならやってみろ(小沢)~

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”いざ決戦!もうあなたを相手にしない(野田)
やれるものならやってみろ(小沢)”

zokusesouyabunirami29-1消費税増税を巡る野田佳彦首相と小沢一郎元民主党代表の会談は再会談ないだろうと思っていたが、思いがけず二度目の話し合いが持たれた。消費税増税法案に協力して欲しいと懇請する首相に、賛成できないということは反対ということだと小沢氏はうそぶいた。シナリオどおりに展開し、野田首相は小沢氏の呪縛から逃れることができた。これからは自分の思い通りにやる、あなたの推薦で任命した役立たずの大臣も首を切らせてもらうと宣言した。やれるものならやってみろ! 国民の支持は我にありと減らず口をたたいた。立ち合った妖怪・輿石東幹事長もなすすべはなく世紀の会談? は終わった。

 すでに結末を読んで腹積りをしていたのだろう、それからは電光石火。翌日にはさっさと組閣を終えた。もしかしたら一気に党役員も変えるのかと思ったが、あっさりと見送った。小沢の力を背後にしない輿石なんて気の抜けたサイダーのようなもの。

 驚いたのは新任の防衛大臣。拓殖大の森本敏教授を起用した。安全保障に精通した第一人者として著名だが、防衛庁時代から初めての民間人起用だけに党内外からブーイングが起きた。「国防上の問題で責任が取れるのは、選挙で選ばれた政治家しかいない」という。そうかもしれないが、前任の田中直紀氏やその前の一川保夫氏の体たらくを見ていると、政治家の責任なんて絵空事に過ぎない。選挙の洗礼を受けているかどうかよりも、見識が立派かどうかが優先する。しかし、日本の政治家たちは根性がひねくれているから、まさかのときは理屈抜きで足を引っ張りかねない。それが日本の安全保障をそこなうことはあり得る。多くの反対を押し切って選んだ責任からも、野田首相はお得意の政治生命を賭けて新防衛大臣をバックアップする必要があろう。

森本新大臣はかねてから民主党の外交・安全保障政策を厳しく批判してきた。鳩山内閣のインド洋での補給活動の撤退、菅内閣の尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件の対応、危機管理のセンスがないこと、野田内閣の北朝鮮ミサイル発射時の情報発信の遅れなど、槍玉に上げている。穿った(うがった)見方をすれば、民主党の人材不足を補うために、民間から起用したと言えなくもない。逡巡する森本氏に「自衛隊の最高指揮官は首相だ。指揮監督権はきちっとしている。その点はまったく心配ない」と明言した。いざというときは一蓮托生、首のすげ替えではことが済まない。それだけに野田首相の覚悟が見える。

これで税と社会保障の一体改革は、簡単ではないが一歩前進した。前門の虎、後門の狼は猛々しさを増している。民主党内では第二次改造内閣で不満分子がさらに増えた。しかし、国民は「口先だけの民主党」に愛想を尽かしている。実力者ぶった小沢氏を支持するものは、役立たずの国会議員の仲間だけ。国民は消費税増税は歓迎しないが、それは小沢支持だからではない。せっかく政治生命を賭けて「乾坤(けんこん)一擲(いってき)」の勝負をしたのだから、恥も外聞もなく野党に擦り寄ってでも宿願を果たしてもらいたい。遅蒔きながら「決められない政治」と辱められた看板を取り外ずチャンスだ。民主党内閣ではなく日本国の野田内閣として、必ず道は開かれる。

世界に無能ぶりを喧伝したクレージー菅直人さんあなたの姿をもう見たくない

zokusesouyabuinirami29-2五月二十八日に開催された「東電福島原発事故調査委員会(以下、事故調)」における菅直人前首相の参考人聴取は、これからの原子力行政の問題点を明らかにするため世界が注目していた。まもなく暑い夏を迎える日本列島は、原発再稼働に向けた政府の判断も大詰を迎えている。その大切な時期に当時の最高責任者であった菅氏の発言は、内容によってはさらに混乱を拡大しかねない。

今回の事故調における参考人聴取は、多くのマスメディアを通じて相当に詳しく報じられた。率直な感想は「なぜ日本国はこのような役立たずを総理大臣を選んだのか」という疑問である。日本国の首相は絶大な権限を持っている。大抵のことは思うがままになるし、よほどのことがない限り不可能はない。「気違いに刃物」というが、与えられた絶大な権限を思う存分振り回し、多くの人を死に追いやった。

原発の二次災害を拡大したと伝えられる三月十二日早朝の現地視察の意義を「現場の考え方や見方を知る上で、顔と名前が一致したことは極めて大きなことだった」。馬鹿に付ける薬はないというが、無意味な視察で四十分も現地の時間を奪った罪は余りにも大きい。愚かな宰相の無益な行動が、どれだけ原発の災害を拡大させたことか。悔やみきれない。

当時、多くの政府関係者は、菅氏に大局観がまるでないことを嘆いていた。最終決定権者だから、ゴーサインが出るまで待たねばならない。瑣末(さまつ)なことにこだわるから、いつの場合も判断が遅れ、しかも間違ったという。わが社のような零細企業でも、社長に大局観がなく現場に口出しすると仕事がストップする。緊急時であれば「その事態にどう対処するか」を考えるべきなのに、部下の業務に過剰介入し、あれこれ指図されると解決のチャンスを逃す場合がしばしばある。

お人好しの国民は三年前の総選挙で「国民の生活第一」を掲げたマニフェストに騙されて民主党に政権を与えた。まさかダーティ小沢、ルーピー鳩山、クレージー菅の厚顔無恥トリオが、ここまで日本の国を貶め、国民の暮らしを苦しめるとは思いもしなかった。せめてもの罪滅ぼしに事故調の最終報告書では、菅氏の責任を明確にして、再発防止策を提言する責任がある。あいまいな調査で終わらせるようでは世界に笑われ、犠牲者も安らかに眠れない。できれば菅氏らを証人喚問し、嘘をつき続ければ偽証罪に問うてもらいたい。

菅氏は最高指揮官であるにもかかわらず、結果責任を当時の枝野幸男官房長官や海江田万里経済産業相、それに保安院、原子力委員会、東電などに負わせ己を正当化した。情報が上がらなければ上がるようにする責任があるにもかかわらずだ。

今回の事故調では安全保障会議や中央防災会議を開かなかったいきさつ、原子力災害対策特別措置法に基づく対策本部とは別の本部が立ち上げられたことの是非について追求がされなかった。自身の失態を棚に上げて、エネルギー政策などに批判を展開したことは、厚かましいにも程がある。党として機能しない民主党に責任を求めても応えてくれないだろうが、国政調査権を付与された事故調に期待するところは大きい。