平成24年8月22日(No5725) 顧客が生まれるとき
顧客が生まれるとき
企業を取り巻く環境は厳しい。一世を風靡したパナソニック、ソニー、シャープなどの一流企業が呻吟している。とりわけシャープは直近の4年で株価が十分の一に値下がりし、生き残りさえ危ぶまれている。本社ビルを手放し、工場を売り、緊急融資を受け、社員を2割もリストラしようとしているが、それでもお先真っ暗である。パナソニックも例外ではない。
同じ日本で、同じ厳しい環境で、高い利益を出す会社とそうでない会社、活気にみなぎる会社と沈んだ会社、社員が嬉々として働く会社と暗い会社。企業の大小を問わず、その違いは何処にあるのか。素朴な疑問を解明しなければ、これからは到底生き残ることが出来ない。①何のために存在するのか、②求めるものはなにか、③大切にすべきは、④どんな価値を。
マルコシの社是「幸福の一致」は間違っていない。それならなぜ成果が得られないのか。答えは簡単である。単に唱えたに過ぎないからだ。具体的に解き明かし、実践し、検証し、改善してこなかったところに問題がある。最終的に利益を生み出す源泉は、「人、モノ、金、情報」に加え、「共感資本」にあることが某研究所によって解明されつつある。
人には「これだ!」「すごい!」と身が震えるような感動を覚えることがある。企業と顧客との関係においては、顧客の価値観や願望が、企業の理念やビジョン、その商品やサービスが重なっていると感じた瞬間だ。人格を刻み込むような仕事振りを見て、その生き方に深い感銘を受け、期待をはるかに超えるサービスや商品に巡り合った瞬間、顧客は生まれる。