平成26年6月20日(No6392) パックリフォームが全盛
パックリフォームが全盛
リフォーム市場は7兆円の巨大市場に成長したが、2020年には12兆円になるよう政策で支援するという。業者にとっては有り難い話だが、ここにきて心配なのは「定額制の浸透と拡大」である。住友不動産の「新築そっくりさん」を始め大手のブランドが席巻している。定額制というのはコミコミの値段。まるごとで○○円。便利なようだがしっくりこない。
マンション60㎡、設備新品、追加料金なしで○○万円のチラシなどでお馴染みである。設備機器や仕様を絞ることによってコストダウンし、その分を顧客に還元するという言い分は悪くない。しかも価格は明快で分かりやすい。確かに工事価格は明快になったが、内容は完全にブラックボックスになっている。ここまで来ると施主と工事会社のゼロサムゲーム。
金額と内容がほぼ同じだから施主は自分の希望(わがまま)を通したら勝ち、リフォーム会社は封じ込めれば勝ち。まさに戦争である。チラシで値引き率を競い、安いパック価格で客を誘う。そして丁々発止の駆け引きで損得が決まる。リフォームは高い自由度をお客も業者も楽しむ商売と思っていたが、業界の繁栄は間違った方向に進んでいるのではないか。
全てがパックリフォームになる訳ではないが、価格を優先すれば益々パックリフォームはーの傾向は強くなる。しかし、昔ながらの魚屋さんや八百屋さんの対面販売の良さも捨て難い。小さな楽しい店がスーパーに席巻されたように、自由度の高いリフォームもパックリフォームに飲み込まれるかもしれない。そんな危惧も感じさせる。しかし、勝てる道はある。
①いいとこ取りの出来る管理能力、②コスト意識の高さ、③提案力の高さ、加えて人間性。これらをどう磨くかに掛かる。