平成27年7月11日(№6778) 徴兵制復活論
徴兵制復活論
最近の国会論議を聞いていると民主党の岡田代表はしきりに徴兵制についてしつこく食い下がっている。非論理的な話を聞きたくもないが、民主党は何か為にすることがあって安倍さんを責め立てているのだろう。「憲法(第18条)が禁じる『苦役』に当たる」として徴兵制導入の可能性を安倍さんは明確に否定。「出来ない」「しない」と繰り返し言っている。
仮に徴兵制が復活したとしても70年前の戦争ではあるまいし、現代戦では高性能の兵器やシステムを使いこなすことが求められる。高校や大学を出たばかりの若者がこの域に達するまでどのくらいの時間を要するのか。日本人の価値観に照らしても徴兵制が受け入れられる土壌はない。民主党は安全保障関連の法案を潰そうというのだろうが、土台無理な話だ。
民主と維新が安全保障関連法案の対案として「領域警備法案」を共同提案する予定だったが、民主党はあっさり反古にしてしまった。民主党は集団的自衛権を完全に否定しており、事実上容認している維新と同じ土俵には乗れない。それどころか民主には容認論と反対論が混在しており、民主党としての対案など百年経ってもまとまらない。何を考えているのか。
枝野幹事長は「突然、維新から非常識な提案があった。だから共同提出は断った」と不快感を示したが、もともとこの話は成る話ではない。民主党は昨年11月に提案して廃案になった対案を再び提出する。芸のない話である。一旦、廃案になったものを復活させるとは野党第一党にあるまじきことである。徴兵制を喚いたところで国民の支持は得られない。
例え国家存亡の危機が訪れたとしても、民主党は福島原発事故のとき見せたような稚拙な対応しかできないに違いない。