平成28年12月16日(№7184) 認知症ドライバー
認知症ドライバー
最近になって高齢者や認知症らしきドライバーの事故が急増している。高速道を逆走したり、アクセルとブレーキを間違えて店舗に飛び込む。人身事故を繰り返すたびに「高齢者はさっさと免許証を返納しろ」と批判の声が上がる。正常であっても高齢化で反応は鈍くなるし、とっさの判断が出来なくなる。免許更新の事前テストの際、いい方法はないか。
私もすでに高齢者として二度も認知症テストを受けているが、みんなそれぞれに机の上では達者だ。しかし、実地テストになると危うさは百倍に達する。信号無視、一旦停止違反、縁石の乗り上げ、脱輪などはお手のもの。これでは事故が起きない方が不思議だ。車線移行など細かなことはチェックされないし、この人たちが高速道を走ると思えば怖い話だ。
昨年一年間あった75歳以上の高齢者ドライバーの死亡事故は458件。そのうち運転免許更新時の認知機能検査をして「認知症の怖れ」があると出た人は31件。「認知機能低下の怖れ」と言われた人は181件、合わせて46,3%。検査をしても半分以上がパスしている。75歳以上の運転免許保有者は全国で480万人もいる。果して運転検査体制は十分なのか。
免許証所有の年齢制限を決めてはどうか。後期高齢者になったらともかくテストに合格しても免許証を返納する。制度があればやがて定着する。過疎地では車がないと不自由だから、行政で巡回車など用意すれば少しは不自由だが日常の暮らしは何とかなる。「晩節を汚さず、『名誉ある撤退』をすべき」というがどうであろうか。480万人の事故は少なくなる。