平成24年10月16日(No5780)     何でもありの気楽な稼業

何でもありの気楽な稼業

中田宏・前横浜市長は闇世界の扉を開けたために、裏社会から手酷い仕打ちを受けた。政治家として当然の責務として対決したのだから、真正面から受け止め成果をあげた(中田宏著「政治家の殺し方」参照)。大抵の政治家は反社会的勢力と仲良くしないまでも、無法な行為を見て見ぬ振りをする。気付かない振りをする。その方が穏やかに過ごせるからだ。

 

いまどき中田さんほど勇気のある政治家はいない。ところがとんでもなく厚かましい大臣が生まれた。第三次野田内閣で待望の閣僚を射止めた田中慶秋法務大臣だ。堂々と暴力団との交際を認め、しかも媒酌人まで務めた豪気な人物だ。その事実を後から知ったのだから「ゴメンナサイ」と頭を下げて口を拭おうとしている。あってはならぬことが起きた。

 

驚いたことに野田首相は田中法相を庇っている。藤村修官房長官も「暴力団との間に違法な関係がなかった」、辞任は必要ないとの見解を繰り返した。安住幹事長代行も「問題ない」と庇った。暴力団との交際が違法かどうかはともかく、政治家として許されるものではあるまい。どうしてそのような人間を法の執行のトップに選んだのか。野田首相の見識を疑う。

 

反社会的勢力と決別するため、政府は企業や国民に強い姿勢を示す立場にある。田中法相はどの面を下げて訓示をするのか。即刻、罷免しなければ臨時国会も開けまい。政治家は何とも気楽な稼業だ。違法な金を受け取っても、ばれたら返せばいい。裏社会とのお付き合いも「ゴメンナサイ」で済ます。首相も官房長官も庇ってくれる。しかし、国民は許さない!

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