平成24年4月23日(No5604)   命の値段 

命の値段

20年来掛け続けて障害保険の会社から非情な通知が届いた。「永い間ご加入いただいた傷害保険の補償につきまして被保険者様が満75歳を迎えられたので、2012年7月1日午後4時をもって補償が終了となりますので、ここにご連絡申し上げます。今後ともよろしくお願いいたします」。要するに後期高齢者の事故による補償は出来ないということだ。


終了通知をされた保険は、事故に限るが死亡1億円、重度の障害5千万円、入院費一日3万円、通院費一日1万5千円という手厚いものだった。掛け捨ての保険金は負担にはなったが、安心料としては格安だった。保険は「守り神」というが、まさにその通りで20年間事故がなかった。危ない車道の側溝のゴミ拾いをしながら、いつも自信満々でいた。


「これからもよろしく」というのは新しい保険の勧めである。何と1億円の命が300万円の価値になった。掛け金は安いが障害の補償はゼロ。付いているのは外出中の携行物の盗難補償と他人に怪我をさせたときの損害補償のみである。つまり呆け老人扱いだ。ボケーとして手荷物を取られたときと、切れて他人に傷害を与えたときしか補償はない。


その上、このささやかな死亡保険金300万円も79歳で打ち切られる。80歳になったら事故で命を落としても補償はゼロ。1億円相当の価値がある命は、後2ヶ月少々で300万に値下がりし、5年を過ぎたら無価値になる。これからは用心して絶対事故に遭遇しない生き方が求められる。次々と立場は変化するが、守り神の退場が不安を増幅させる。

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