平成24年9月25日(No5759) 政治空白を作らない
投稿日:2012.09.25
政治空白を作らない
民主党の代表選が行われたが、予想通り野田佳彦首相が圧倒的多数で再選された。任期は3年。世論調査を見ると適任と答えた人は6%、74%が適当な人がいないと答えた。「挑発せず、挑発に乗らず、大局観をもってクールに外交を展開する。この基本姿勢のもとで外に向かって行きたい」。一触即発の状況にある中国について、何もメッセージを発しなかった。
再選後のあいさつでも「真に国家と国民を愛している」と語ったが、国家・国民のことより「真に野田内閣と民主党を愛しているとしか聞こえない。尖閣諸島の危機についても、国民を安心させ鼓舞する発言はなかった。国会を解散して政治空白を作ることは、現今の危機に対して如何なものかと解散を先送りする思いを滲ませた。幹事長留任要請など正気か。
何もできないというより、何をしていいか分からない民主党政権そのものの存在が、政治空白といえるのではないか。代表選における各候補の発言を聞いていると、同じ党の発言とは思えない。消費税増税、脱原発、TPP問題、集団的自衛権、安全保障、憲法改正など、日本の直面している課題は集約されなかった。パフォーマンスに過ぎない握手は空しい。
尖閣問題の当事国である日本の民主党政権は「大局観をもって対応」などと他人事のように言っているが、米国連邦議会は「同盟国として日本を支持する」と明確なメッセージを発した。国民は野田首相のメッセージに不安を覚え、米国のメッセージに安心をする、民主党政府はとうに当事者能力を失っている証である。一日も早い国会解散が待たれる。