平成26年2月20日(No6272)   仰げば尊し

仰げば尊し

卒業式のシーズンになった。今年は中学校が1校、小学校からは3校も招待状が届いている。残念ながら小学校は同じ日だから1校しか参列出来ない。いずれも「卒業記念トイレ磨き」の臭い仲だから、晴れ姿に拍手を贈ってやりたいが叶わない。トイレ磨きや学校の役員を10数年続けており、そのご縁で毎年どこかの小学校の卒業式の末席に連なっている。

 

残念ながら卒業式の定番だった「仰げば尊し」や「蛍の光」を歌わせてもらえない。私たちの時代は3年あるいは6年も世話になった教師や慣れ親しんだ学び舎との別れが耐えがたく、万感を込めて涙とともに大声を張り上げた。途中からはしゃくり上げて歌にならなかった。卒業式が終わっても学校を離れることが出来なかった。いつまでも慕い続けた。

 

先年、中学校の恩師が旅立たれた。卒業して60年の歳月が流れていた。それでもほとんどの教え子が葬儀に参列した。圧巻はお別れのことばである。全員が恩師の遺影の前に整列し、「仰げば尊し」を合唱した。「仰げば尊し、わが師の恩。教えの庭にもはや幾年、忘るる間ぞなきこの年月、いまこそ別れめ、いざさらば」。一番から三番まで涙と共に熱唱した。

 

厳しい教師だった。前に立つと自然に背筋が伸びた。そのことは60年間変わらなかった。学校時代の教師は恩師であり、生涯の師でもあった。最近は生徒や保護者に一目置かれる教師は少ないという。恩師などという言葉も死語になったと聞く。結婚式に恩師が招かれることも少ない。まして来賓の主役を務めるなどないそうな。どこで狂ってしまったのだろう。

 

道徳の教科化なども結構だけど、肝心の教師の質が心もとない。いっそのこと卒業式に「仰げば尊し」を復活してはどうだろうか。心の奥底に眠る日本人魂が覚醒するかも知れない。

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