平成26年4月1日(No6312) 不思議な世界
投稿日:2014.04.01
不思議な世界
猪瀬前東京都知事の5千万円問題は、都知事を辞任、略式起訴、50万円の罰金で一応幕引きとなった。詰まらぬ内緒事で華やかな人生の舞台から転落した。なんとも割の合わない児戯であったことか。今度はみんなの党の渡辺喜美代表が、8億円という桁違いの胡散臭いお金のやり取りで俎上に上った。政治の世界は当たり前の倫理など糞喰らえで通用しない。
最高顧問の江口克彦参院議員は、即刻代表を辞するべきだと渡辺さんに直談判した。渡辺さんはやましいことはない、法を犯していない、進退は自分で決める、と強弁した。折角の進言を退けてしまい、さらに解決をややこしくした。参院選の前に3億円、衆院選の前に5億、DHCの吉田会長から借りた。個人で借りたのだから法に違反していないと主張する。
選挙に使っていない、政治に使っていない、個人で使った、手元にはない。個人で何に使ったのかと聞かれれば、いろいろだとあいまい。さらに追及されれば酉の市で縁起物を買うことがあると、まるで人を小馬鹿にした答弁。やましいところがなければ抽象的な話はしない。どうせ選挙に使ったのだから正直に言えばいいのに、意地を張ったように嘘を通す。
それにしても選挙は金がかかる。立候補するには供託金が必要だ。みんなの党の場合、2010/7の参院選で44名擁立し供託金は2億1千万円、2012/1の衆院選は69名で4億1千百万円、合計6億1千2百万円使った。さらに公認料、選挙費用を考えると天文学的数字の費用が掛かる。考えてみると小さくても政党の党首は、半端な集金力では務まらない。
だからと言って何でも許されるわけではない。渡辺代表の失態はみんなの党の信頼を失墜し、政党政治の根幹を揺るがしている。少なくとも江口顧問の進言通り、即刻代表を退くべきだ。早ければ早いほど傷が浅くて済む。こそこそするな。