平成27年2月28日(№6645) 骨肉の争い
投稿日:2015.02.28
骨肉の争い
家具販売業界の老舗・大塚家具で経営権を巡り、親子、兄弟姉妹がそれぞれの勝手な主張をして争っている。親父会長の記者会見に続いて娘社長も経営計画の発表会を開いた。例によってマスコミは大騒ぎし、どちらの会場も報道陣が殺到した。自らが蒔いたタネとは言え、格好な話題を提供したものだ。国会のいがみ合いも見苦しいが、骨肉の争いは悲しい。
細かい経緯は分からないが、何処にでもある珍しくない経営権を巡る争いだ。ただ当事者の代表が父と娘であり、尻尾に兄弟姉妹がくっついている。株主の委任状を求めて奔走したり、訴訟合戦も始まっているが、大塚家具のお客様はどんな気持ちでこの騒動を見ているだろうか。もしかしたらこんな会社の商品は二度と買うまいと思っているかも知れない。
もしも争いに勝ったとしても、お客様を失っては経営権など何の役にも立たない。お客様あっての商いであり、少なくとも醜い争いをお客様の前に晒してはならない。父と母と長男のチーム、長女、次女、三女、次男のチーム、子宝に恵まれながらこんな体たらくではご先祖様に申し訳ない。ここまで来たら平和的解決はないだろう。とことん喧嘩すればいい。
もしもアドバイスを求められたら「親父は娘に譲れと言ってやりたい」。老いては子に従うべきだ。たとえ娘の考え方や経営のやり方が問題があったとしても、長い目で見てやるのが親の愛というものだろう。私も同じ立場にあるが、争いになればさっさと引っ込む。問題点があっても目を瞑る。何としても醜い姿だけは、お客様や社員の前に晒してはならない。
大塚勝久さん、あなたの欲望を満たすために、社員やお客様を道連れにしてはならない。あの世で先祖に合わす顔がない。