平成28年5月25日(№6999) 球場も戦う時代に
投稿日:2016.05.25
球場も戦う時代に
ベイスターズは本拠地「横浜スタジアム」の運営会社を74億円で買収した。元々プロ野球の経営は親会社の負担で成り立っており、赤字は当たり前と言われながら苦しんでいる。唯一黒字で成り立っているのは広島東洋カープのみ。それでも経営は苦しく価値の高くなった選手をトレードして糊口をしのいでいた。阪神の金本しかり、今期大活躍の新井しかり。
横浜の観客動員は181万人とDeNAが球団を買収する前の1,7倍に増えた。それでも営業赤字になる。球場を買収した今年は、チケット収入の13%と広告収入が取り込めるため収益改善が見込める。日本ハムファイターズは本拠地の札幌ドームからの移転を明らかにした。すでに札幌市や北広島市で新しい計画を検討している。球場は自分の持ち物に限る。
札幌ドームは稼働率が高く札幌市の負担になっていない。ところが球団側には不満だらけだ。その一つが高い施設使用料。球団の都合で球場の改修は出来ない、グッズ販売や飲食店の運営もダメ。親会社日本ハムの商品も自由に売れない。自前球場の設置は運営コストの削減が大きいだけではなく、物販や飲食などの追加収入が見込める。その投資は仕方がない。
広島東洋カープの本拠地「マツダスタジアム」は広島市所有だが、もともと市民の球団名だけに一定の使用料を支払えば工夫が収益になる。「カープ女子」の応援はすさまじい。若いイケメンの選手たちは大人気だ。勝っても負けてもスタンドは真っ赤に染まる。今年は黒田人気、新井人気もあって首位をキープして優勝目指してまっしぐらだ。変化は止まらない。
読売ジャイアンツやソフトバンクホークスなどは黒字経営だが、他の球団の経営は厳しい。球場の改装やファンサービスの強化で野球観戦の魅力を高めている。プロ野球は変わった。