平成28年9月11日(№7088) 人間は自分が正しいと考えている
投稿日:2016.09.11
人間は自分が正しいと考えている
何か言葉の諍いがあったとき「感情的になるな」と注意を与えるが、こういう注意は意味がない。理性でいくら抑えようとしても抑えられないのが感情である。感情は心の作用である。貨幣、受験、出世、民族などは、いずれも合理性で割り切ることは出来ない現代人の宗教である。宗教は人間の感情によって支えられている。感情はすべて心の作用である。
心は何処に存在するのだろうか。心臓か? 腹か? 頭か?心の有る場所を示すことが出来る人は一人もいない。しかし、心は確実に存在する。目には見えなくても、確実に存在するものが世の中にはあるのだ。教師や上司に従っているフリをしていても、腹の中で自分が絶対正しいと考えているときは、感情に支配されていると考えてまず間違いはない。
自分が絶対に正しいとする基準は何処にも存在しない。他人も自らの感情に基づいて、自分が絶対正しいと考えている。人間が絶対正しいと考えていることは確実に存在する。しかもそれは複数存在するのだ。自分の感情に固執して周囲から孤立しないようにしたいものだ。しかし、それは簡単ではない。感情は神の位置を占めていることをよく認識したいもの。
「およそ人を扱う場合には、相手を論理の動物だと思ってはならない。相手は感情の動物であり、しかも偏見に満ち、自尊心と虚栄心によって行動するということを、よく心得ておかねばならない」(カーネギー)。「足を滑らせてもすぐに回復できるが、口を滑らせた場合は決して乗り越えることはできない」(フランクリン)。正しく生きることは極めて難しい。