平成29年4月23日(№7312) 行儀よくしなさい
投稿日:2017.04.23
行儀よくしなさい
トランプ米大統領は17日、北朝鮮の金正恩委員長に「行儀よく振る舞いなさい」と公式に語った。挑発を辞めない金正恩に改めて警告を発した格好だ。トランプ大統領はシリアを攻撃したように、オバマとは違うところを見せた。軍事行動に移る可能性を否定しなかった。しかし、その言葉は現実的ではない。北朝鮮はシリアとは違う。軽々に行動は出来ない。
安倍さんはトランプ大統領の政策を支持するというが、事前に北朝鮮を攻撃すると言われたときに「どうぞ」とは言えまい。北朝鮮が核実験をしてアメリカが空母からミサイルを撃ったとしたらどうなるか。もしも戦争が始まったら真っ先に被害を蒙るのは日本にあるアメリカ軍の基地だ。それは日本が攻撃されるに等しい。次いで韓国はどうなるか。考えたい。
北朝鮮は朝鮮半島を統一したいと念願している。多くは北朝鮮という国家が崩壊し、難民が韓国、中国、日本に流れ込むというが、北朝鮮は民主的かどうかは別として国家としての体制を整えている。戦争になれば双方が傷つく。韓国は「間もなく北の体制は崩壊する」という。北朝鮮もそういう。北朝鮮が崩壊しないのは。崩壊する理由がないからである。
国家は経済の貧困では崩壊しない。国家の崩壊は戦争のみである。政権が倒れ交代することはあるかもしれない。経済発展の程度と国家の安定性の間には、さしたる因果関係は見当たらない。日本としても北朝鮮の現体制が継続するという考え方で政策を考えなければならない。トランプさんも同じである。只では済まないことをお互いに承知しての駆け引きだ。