平成24年2月24日(№5545) 天皇陛下の手術終了
投稿日:2012.02.24
天皇陛下の手術終了
天皇陛下が心臓の「冠動脈バイパス手術」を受けられた。手術時間は3時間56分。無事終了した。皇后さまと集中治療室で対面、笑顔で頷かれたという。医師団にも「ありがとう」と声を掛けられたらしい。執刀日は3月11日に催される「東日本大震災追悼式」のご出席を念頭に決められたとメディアは伝えた。一身に代えても民の心を安んじる思いが伝わる。
陛下はすでに「喜寿」を超えられ若くはない。陛下のご公務は国事行為などのご執務、国内外へのお出まし、宮中祭祀など多岐にわたる。手術を終えた金沢一郎皇室医務主管は「公務は元通りとはいかない。配慮が望ましい」と述べた。昨年3月の東日本大震災で岩手、宮城、福島をはじめとする被災地へ出向かれ、膝を折り、手を握って被災者らを励まされた。
震災を境に新たなご公務が増えたが、果たして軽減できるのか。陛下のご意志もあり、簡単ではないだろう。手術が行われた18日は成功を祈る国民の記帳が1万3048人分も寄せられたという。手術無事終了のニュースに多くの国民が胸をなでおろし喜んだ。陛下は「国民は被災地を忘れない」というメッセージを、ご自身で体現されている。
政府は陛下のご容態を案じながらも、消費税キャンペーンに余念がない。野田首相、岡田副首相、安住財務相などが手分けして、対話集会やテレビ出演などこなしている。政府としては必要に仕事であろうが、国民感情として釈然としない。連立与党はおろか党内にも亀裂が入って支離滅裂。しばらくは陛下のお心を煩わせないような首相の思いやりも必要だ。