平成24年2月26日(No5547) 工藤公康さん
投稿日:2012.02.26
工藤公康さん
南の地方から球春が届けられているが、今年も将来を嘱望された若者たちのニュースで溢れる。解説者にも大物ルーキーがデビューした。46歳まで現役を続け、224勝を上げた大投手である。ベイスターズの監督候補に挙がったが、あっさり高田ゼネラルマネジャーに振られた? 新監督になった中畑清は、明るいパフォーマンスで人気者になっている。
解説ルーキーは工藤公康さん。28年前、名電工のエースとして甲子園に鮮烈デビューした。大きな目と人懐っこい笑顔が可愛かった。プロ野球・西武ライオンズに入団し、エースとて君臨した。しかし、暴飲暴食がたたり選手生命も危ぶまれた。夫人による食生活の改善で肉体改造に成功し、ジャイアンツ、ベイスターズで活躍し、古巣ライオンズで引退した。
事情あってその食生活を取り入れ、わが身も社会生活に復帰できた。解説者として報道ステーションのキャスターとしてテレビ朝日からデビューしたが、28年前からのファンとしては評判のよさが嬉しい。3年前、広島空港で出会ったとき、何気なく声を掛けたところ、立ち止まって気さくに応じてくれた。飾らない人懐っこさが背中に溢れていた。
解説はアマチュアには分かりやすく、かつ具体的である。これまでも野村克也さんをはじめ優れた解説者はいたが、工藤さんの素晴らしさは驕らない姿勢である。選手を呼び捨てにすることもなく、インタビューでも決して偉ぶらず敬語を使う。上から目線ではなく、選手と同じ目線で野球を語る。鍵山秀三郎さんに通じる人柄を感じる。益々好きになった。