平成27年1月22日(№6608)  地方選挙が空洞化

地方選挙が空洞化

広島では4月に市長、県会議員、市会議員の改選が行われる。 地域のあちこちに大型のポスターが掲示され、選挙が間近になったことを伝えている。昨年末の総選挙は戦後最低の投票率となったが、有権者の政治不信や無関心、あきらめなどに加え、一票を投じたい候補者が見当たらない。41都道府県の平均投票率は48,15%に過ぎない。有権者は民意を示さない。

 

議員定数を上回るだけの候補者が現れず、無投票になるケースが続出している。回を追うごとに無投票当選率は上がり、2011年の統一地方選を見ると、選挙が実施された41都道府県の総定数2330のうち、410人が無投票当選となった。最も多かった島根県に至っては、県議定数37のうち26議席が選挙なしで決まっている。民意を反映しない政治である。

 

選挙が行われても予め結果が決まるケースも増えている。一つには組織や地区の推薦を持たない新人の当選が極めて難しい。意欲があったとしても職を投げ打ってチャレンジするにはリスクが大きすぎる。二つには広島市などの政令指定都市は別格として、小さな市町村では議員に課せられた責任の大きさに比べて議員報酬は少ない。政治活動費が足りない。

 

三つ目は議員の仕事や役割がよく見えない。遣り甲斐や誇りが感じられない。現職議員の姿を見ても議員の仕事に魅力が感じられない。ほとんどの議員は本来の議員の役割を果たさず、議員で有り続けているのが実態だ。現職議員の多くは次の選挙に勝つことを最大の使命と考え、議員活動ではなく選挙活動に血道を上げている。有権者に媚を売り続けている。

 

議員活動ではなく選挙活動に必死なのは、国会議員も同じ。質が下がり続ける地方議員をどうするか、問題は大きい。

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