平成28年10月5日(№7112) 高安正明さん

高安正明さん

掃除畏友の高安正明さんが満90歳を記念して「『生きる』被爆者の自分史」を上梓し、見事な記念誌を発行された。最近心臓や肝臓がんの病に侵され、最近10カ月のうち5回も入院しすっかり気弱になっていた。そこへ98歳の渡邉四郎五郎さんが書かれた「人間としての大成」をいただいて元気をもらった。そこへ10歳年長の高安さんの自分史が届いた。

 

98歳、90歳の先輩から見れば、80歳なんてまだ青二才だ。「もう80歳だ」などと愚痴を言っては笑われる。「まだ80歳」と背筋を伸ばさないと笑われる。高安さんとは掃除仲間として親交を深めた。被爆者で胃がんに遭遇した高安さんはがん患者のグループでモンブランに登頂し、あと一歩の所で頂上を極められず、その悔しさの一文が市民文芸1位に…。

 

広大を卒業して国鉄マンになり、定年より一年早く退職し、家を建て妻と一緒に東広島市に引っ越した。「がん患者がモンブランに登る」と言う記事を見て「生きがい療法実践会」に入会し、すばる病院長・伊丹仁郎先生とご縁があった。「がん患者は医師、家族と同じ土俵に立ち、生きる目標を定め、一日一日を力いっぱい生きることでがん細胞を抑える」の主旨。

 

平成19年、暮らしている地域に農業塾を立ち上げた。竹の子学園にも同志と学びに来て参考にしてもらった。農業塾と掃除で親交は一層深まった。中耳炎を患い難聴になった。夫婦間も筆談となる。この調子だと95歳まで生きられそうだ。これからの生きる目標は反核平和のために「被爆者が書いた原爆の絵」を世界中に届けたい。高安さんに負けられない。

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