木原伸雄のちょっとと～く

投稿日：2012.03.15

田中薫さんの詩集

北関東の詩人・田中薫さんから、詩集「心（五行詩）」が届けられた。15冊目の刊行となる。ご縁の動機は定かでないが、書き物の往来などで10年ものお付き合いになる。まだ直接お目にかかったことは一度もない。ご縁とは不思議なものである。それだけでも深めることが出来る。便りは和紙を使い毛筆オンリーだ。万年筆もボールペンも使わない。

田中さんの詩集はすべて手づくり。丹念にコピーして綴じ、表紙はテーマに相応しい色を添える。背は千代紙をあしらい、手作り感が溢れている。田中さんの本作りを教わり、小さな冊子はすべて田中流で発行している。もっとも詩集のような心温まるものではなく広報を主としている。手作りの良さは捨てられないことにある。受け取った人に心が伝わるからだ。

「心というものは、風のようであり、川のようであり、流れのままに流れる。また、わずかなことで簡単に壊れるし、掌を返すように簡単に翻る。自分の思うままであるようですが、実は意に反して勝手気ままに振る舞ったりする。なんとも厄介なものですが、なんと素晴らしいものでもあります。神さまはこの心を実によくお創りなさいました」。（薫風の心より）

平成6年から五行詩「薫風」を創作し始め、平成17年6月に五行詩集の第1集を発行し、今回が15集となる。すべてが届けられ、背表紙が書棚を爽やかに彩っている。次の作品は「生きる」篇、さらに「学び」篇、「和み」篇と続く。いつの日かお目にかかるときが来ると思うが、心だけの通い合いも悪くはない。毛筆署名入りの次の詩集を待ちわびている。