平成27年5月19日(№6725) 大阪都構想潰える
投稿日:2015.05.19
大阪都構想潰える
NHKの出口調査のグラフでは大阪都構想の賛成派が優位と伝えていた。安心して他局のテレビドラマを見ていたら「大阪都構想否決」のテロップが流れてびっくりした。贔屓目もあったが最後は大阪市民が賢明な選択をすると信じていた。橋下徹市長が政治生命を賭けて5年余も戦った結果としては悔やまれる。地盤沈下の著しい大阪市は再生の手段を失った。
大阪市の再生構想が頓挫したことに加え、もっとも政治家らしい梟雄・橋下徹を大阪市民は追放してしまった。その損失は大阪にとっても日本にとっても余りにも大きい。自民、民主、公明、共産は己らの権益を守るためにとことん反対した。政敵と手を結ぶことも厭わなかった。共産党と手を結んでまで反対した自民党の議員を、市民は決して許さないだろう。
橋下市長と松井知事が去った大阪はどうなるのだろうか。反対派は辛うじて勝利したものの、具体的な対案は何一つ示していない。己の身を守るために右往左往するのだろうが、迷惑を被るのは最終的には市民だ。大阪都構想に反対したことをやがて後悔する羽目になるが、そのとき救世主の橋下・松井コンビはもういない。この戦いの後始末は誰にもできない。
責任野党の存在は民主政治には不可欠である。民主党は現状では責任政党たりえない。来年の参院選では完膚なきまでに負ける。橋下のいない維新の党は一年も持たない。選挙区の折り合いがつけば自民党に戻るのではないか。はぐれガラスは民主党に泣きつくかも知れない。もはや責任野党の核になる政党は無。自民党を割れば別の話だが、その可能性はない。
大阪都構想を潰した大阪市民、それに加担した政党の責任は余りにも重い。やがて混乱の極に至る。誰が尻拭いをするか。